一般社団法人 かなぎ元気村 メールマガジン2月号

早くも2月半ばになりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
三寒四温という言葉通り、春に向かう予兆が感じられるこの頃です。あまり騒がなくなったものの、コロナもインフルも静かに潜伏しているそうですから油断は禁物です。
2月と言えば旧暦の正月で、中国や中華圏では春節という最も重要な祝祭日になります。毎年レジャー目当ての民族大移動が活発になるのですが、コロナウィルスによって世界が激変し、4年にわたり観光のインバウンド需要が低迷し続けていました。
幸いなことに、今年は春節に関連したインバウンド需要が復活したそうで、驚くことに我が青森県が国内注目度ナンバーワンなのだそうです。中国経済の不安もあって、かつての「爆買い」は影を潜めていますが、雪にまつわる独特の情景や、安心安全な食文化が青森県の評価を高めているそうで、こうした消費の価値観と成熟度において高く評価されることはとても素晴らしいことだと思います。青森県の魅力を根気強く発信し続けた県庁のプロジェクトチームにようやく陽が当たり、金木からアジアへ独自のプロモーション活動を続けたかなぎ元気村にも陽が射してきた気がします。

一般社団法人かなぎ元気村では、みなさんのそばにいつも『かなぎ元気村』ということでメルマガを配信しています。
今月も奥津軽の小タヌキのコラムやクマのぼやきをお楽しみください。

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【目次】
1.再開発は誰のため?
2.青森の新しい酒を考える
3.津軽の桜
4.山の神への初詣
5.ウェルネスコラム「                               」
6.あとがき
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1.      再開発は誰のため?
前にも触れましたが、県を代表するメディア「東奥日報」によると、2050年には県内の総人口が今の半数近くになり、特に働き手世代(生産年齢人口)は今より60%以上の減少になるようです。こうして具体的な推計を見ますと、総務大臣を務めた増田寛也氏による「地方消滅論」はいよいよ現実となり、緊迫感を増している気がします。自治体のトップはしきりに「再開発」を口にしますが、誰のためというところで考えると少なからぬ疑問があります。人口減少が甚だしく、経済力の低下も止まらない状況において、経済効果とか経済効率と言われても、それは自分たちとは関係ないところに富をもたらすためのものではないかとの疑問です。しかも人口推計を見る限り持続しそうもないわけです。特に合併市町村においては一緒に喜ぶというような一体感は持ちようがありません。
旧五所川原市を例にとって考えてみると、確かに昔から往来の拠点であり、商いが盛んであったり、病院や学校があったりして周辺から人は集まりますが、所詮それは周辺住民のおかげなのであって、津軽鉄道を軸にした旧町村とのアクセスサービスや各地の歴史文化を持続させ、未来につなぐ方が本来の住民利益なのではないかと思っています。
近ごろよく耳にするCSRとは、企業の社会的責任を意味しますが、行政に置き換えると、一方向の利益を追求するだけでなく、自らの組織活動が社会へ与える影響に責任をもち、社会全体からの要求に対して適切な意思決定をすることを指しています。
近江商人の商売哲学は『売り手によし、買い手によし、世間によし』とする『三方よし』です。これからの縮小社会においてこそ必要な考え方ではなかろうかと思います。

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2.青森の新しい酒を考える
近ごろ、日本の酒は、かつてないほど多様化しているようです。元気村のクマも小タヌキも筋金入りの酒飲みですが、やはり加齢とともに酒量は減り、初めて飲む新しい酒にときめきを感じるようになっています。言うまでもなく、日本酒について青森県は津軽も南部も銘酒の宝庫ですが、このところの津軽では若い人たちが林檎を原料にした酒造りを始めています。古くは、太宰治の小説に出てくる、かなり謎めいた「りんご酒」の記録がありますが、現代ではシードル(発泡酒)が多様なタイプで醸造されるようになり、クラフトビールならぬクラフトシードルが続々とデビューしています。
さらに蒸留してアップルブランデーにする小さな蒸留所も五所川原市や平川市などに出現していて、これからの地酒ワールドはなかなかのものになりそうですね。知っての通り、ブランデーとなると樽詰めして熟成させ、目指す商品になるまでは相当の期間を要し、それまでお金にならないわけですが、蒸留したての透明な状態でも林檎風味がちゃんと残っていて、それほど悪くはありません。2年ほど前に五所川原の林檎農家の若者が自分のこだわり林檎でシードルをつくり、そのお披露目を元気村でやったことがあるのですが、日本酒酵母、ワイン酵母を使って醸造したものは地元料理とのマッチングという点でも面白かったですね。つい先日亡くなられた指揮者の小澤征爾氏は「人は個が大事だ。その人の個性が人を動かす」と言っていたそうですが、深遠なる酒の世界も同じだと思わざるを得ません。

お昼のお弁当、お食事会などお気軽にお問合せください。
季節の地場産食材で、お客様のニーズにあった料理、お弁当をご提供します。
昼食や夕食の様子は、Facebook「かなぎ元気村かたるべぇ」にも時々アップしています。
元気村ではおすすめの県産銘酒を取り揃えています。
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3.津軽の桜
2月になると早咲きの河津桜が話題になりますが、ここ津軽は弘前公園に代表される国内トップクラスの桜の名所です。津軽鉄道と桜のトンネルで知られる金木の芦野公園も日本の桜百選にランクされていて、私は18年間桜まつりの運営事務局を務めていたので、今も桜に対する思いは尋常ではありません。桜の主力品種は全国的に「染井吉野」ですが、北津軽では遅咲きのサトザクラ「関山」への更新植樹が増え続けています。もともとソメイヨシノは園芸種として改良されたもので、寿命もさほど長くなく、病気、害虫、腐朽菌に弱い性質を持っていますが、サトザクラ、シダレザクラ、オオヤマザクラなどはかなり野性的でたくましく、毎年安定して花が咲きます。この頃は気候の温暖化が激しく、県内におけるソメイヨシノの開花は4月10日ぐらいになりそうですが、その後も遅咲きで華麗な桜が控えていますので、桜前線の情報にとまどうことなく、じっくりと津軽の桜をお楽しみください。芦野公園はもちろんですが、縄文遺跡があるつがる市の平滝沼公園と、さらに極めつけは岩木山をぐるりとオオヤマザクラが囲むネックレスロードがおすすめです。
「願わくは花の下にて春死なむ」と詠んだ西行法師は、儚く散る桜の花に輪廻転生の姿を描いていたのかもしれませんね。
奥津軽トレイルのルートにも山桜があふれていますよ。

※十二本ヤス アドベンチャーライド
※体験プログラムはこちらから→https://www.jalan.net/kankou/spt_guide000000206736/activity_plan/?asobiKbn=1
※縄文アドベンチャーライドをはじめとしたモニターツアーの映像をお楽しみください。
こちらから→https://kanagi-genkimura.org/category/movie/
社員研修、ワーケーションなどの宿泊プランは直接、下記へ電お問合せください。
→電話番号 0173-52-2882  ito@kanagi-genkimura.org

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4.山の神への初詣
金木の喜良市山には日本一の青森ヒバ「神木十二本ヤス」が千年の時を経て鎮座しています。無雪期には奥津軽トレイルの見どころとしてご案内していますが、冬場は完全に閉ざされた世界になります。しかし、奥津軽トレイル倶楽部では、近年スノーシューを使って真冬の十二本ヤスへ足を踏み入れています。1月から2月中旬は本来の厳冬期であり、新暦・旧暦の正月でもあるので、山の神への初詣というのは特別なパワーを授かるのではと勝手に一方的に思っているわけです。
このところ若手のガイドが雪道を走れるファットバイクという太いタイヤの自転車とスノーシューを駆使して冬の十二本ヤスへのアタックを始めました。おまけに喜良市の神社巡りをして鳥居の鬼っ子を見るというこだわりようです。スタート・ゴールが元気村ということで、かなりの長丁場ですが、達成感タップリだと思います。自転車で地吹雪にさらされてみたい方には是非お勧めします。そういう価値観もありですよ。
つい先日の様子は奥津軽トレイル倶楽部とかなぎ元気村のFacebookにもアップしていますのでご覧ください。
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5.小タヌキのウェルネスコラム第16回
「インバウンドに人気の白川郷、飛騨高山へ」
https://kanagi-genkimura.org/2024/02/20/wcolms_16/

(一社)かなぎ元気村の理事木谷敏雄(通称奥津軽の小タヌキ)が「日本各地のウェルネス地域の探訪」を綴ります。この小タヌキは、日本各地のウェルネスツーリズムや最近でいうWell-Beingツーリズムによる観光地域づくりの感動請負人(コーディネーター)として各地を飛び回っていて、そこそこ活躍しているらしい(笑)そんな小タヌキのウェルネス地域探訪にお付き合いください

※ウェルネスコラムはこちら→
https://kanagi-genkimura.org/category/blog/jomon_wellness/
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6.あとがき
近ごろテレビ番組がつまらなくなったと嘆くオヤジを見て、娘がネットフリックスやプレミアムビデオを見れるようにしてくれました。これがまたいいんだな。本格シネマはもちろん、連続シリーズの短編も気楽にストレスなく楽しめますね。この頃は人間模様あふれる「深夜食堂」にはまっています。
そうそう、つい先月、つがる市のイオンシネマで「ゴジラ-1.0」を見ました。前のシンゴジラはつまらなかったですが、今回のはずっと怖くて感動的でした。やはりちゃんとしたシアターはいいですね。「劇場」という言葉が馴染む世代ですが、このごろ消えつつある映画館と書店は文化の象徴なのだと思います。昔、もし宝くじが当たったら「名画座」をやりたいなと思ったことがあります。小さな映画館のオヤジってものに何となく憧れますね。
最後に、AIと共存する未来はどうなるのでしょうか? 人間のフリをしたチャットGPTが導き出した答に人間が服従する未来は果たしてどうなるのでしょうか?  これからは、正しい知識と考え方をAIに徹底的に覚えさせるのが人間の使命になるのでしょうね。
だとしたら、せめて戦争のない平和な世界という答えに全人類が服従して欲しいと願います。
もうすぐ春が来ます。皆様お身体を大切にお過ごしください。

2024.2.22

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