飛騨古川「SATOYAMA EXPERIENCE」で里山の価値を再認識 | 小タヌキのウェルネスコラム第17回
かなぎ元気村では、ウェルネスツーリズムのメインコンテンツとしてファットバイク、E-MTVを活用して、鬼っ子神社巡りや奥津軽トレイルを使ったグラベルライドのエクスペリエンスを提供している。
そのコース設計、プログラム構成の原点となっているのが、今回紹介する飛騨古川の里山エクスペリエンスである。
前回コラムで紹介した高山市からJR高山本線で20分程の飛騨古川駅へ。駅から街中まで少し歩くと、地方創生の旗手と謳われる㈱美ら地球が主催する「SATOYAMA EXPERIENCE」のデスクがある。今、アフターコロナで再び人気の高まる飛騨で外国人観光客が熱狂していしている「飛騨里山サイクリング」の経験を少し綴っていこう。コロナ禍前、英国のご夫婦と米国のファミリーと一緒の里山の旅。2時間半、約12kmの旅を楽しんだ。
このプログラムのミソは里山の原風景へ誘ってくれる気持ちの良いガイドの存在。今回の水先案内人は、カナダ留学経験のある、若手ガイド。あいにく小雨の中走ることになったが、笑顔を絶やさず、里山の魅力を語ってくれる。
「SATOYAMA EXPERIENCE」には彼のような都会からやってきたガイドがコロナ前には、年間3500人を超える観光客を受入れ、まちを元気にしていた。ちなみに8割が外国人、そのほとんどが米英豪の観光客という。
早速スタートし、街並みを抜けると、すぐ広がる田園風景。マウンテンバイクをとめて、はじめに米づくりを紹介してくれる。英国人夫婦が不思議そうに田んぼを覗きこんでいる。英国には水田はない。田んぼに水を引き込んだり、出したりという「堰」に興味津々。そのしくみを聞くと思わず「エクセレント!」。私自身には、田園風景は当たり前だし、堰に関心をもったことすらない。でもその水田のしくみは外国人にとって新しい価値となっている。
仔牛のいる牛舎の前を通るとKAWAII!の彼らの生声。雨も止んだので、テンポを上げて走る。そして再び田園風景の広がる場所で一休み。差し込んできた太陽の光を浴びて、田植え前の水の張られた水田が鏡面となり、里山が逆さ富士のように映り込み、私たちに飛び込んでくる。「アメージング!」という叫び声。これは思わず私も感嘆!
しばらく走り、トイレ休憩に農産物直売所に寄る。外国旅行客の女性陣の手が地元の菓子や漬物に伸び、レジに運ばれ、背負ったリュックに吸い込まれていく…学校の前を走ると窓から授業の終わった生徒たちが窓から手を振ってくれる。手を振り返しながら、林道をさらに進み、川沿いを走ると東屋が。そこで和やかにティータイム、大麦茶をいただく。女性陣が先ほど購入したお漬物やお菓子を出し、笑顔で勧めてくれる。旅慣れた欧米人だからこその空間の作り方なのか、それともガイドが体験時間の中でつくりあげてきた空間なのであろうか。こちらもその空間に引き込まれ、ここちよい気分になっていく。
一緒に里山サイクリングという経験をわかちあう空気感。日本の里山のステージでこんなことが起きているという感動が私の中に生まれる。
飛騨古川のゴールまではあとわずか。すっかり雨もやみ、古川の街並みにも人が出ている。街を流れる清流が夕日に照らされきらきらしている。すれ違う人たちが笑顔で挨拶、これもまた、ここちよい。
今回一緒に走った二組は京都、富士山、東京を巡るいわゆるゴールデンルートの旅の途中で、カントリーサイドを楽しみたいと選んだのが、この飛騨里山サイクリングという。選んだ理由は?の質問に「クールな田舎と評判」と彼らは話す。
ガイド、地域住民、参加者同士、そして里山の風景の魅力の掛け算で、こんなにもかっこよい田舎を表現できるプログラムになるのだと実感させられた小さな旅。
こんか小さな旅を奥津軽でも。飛騨古川でのこんな経験が、今の奥津軽アドベンチャー&ウェルネストラベルのコンテンツの原点にもなっているのだ。
さて、奥津軽にも春がやってくる!芦野公園の桜でも見ながら、奥津軽ライドを楽しんでみませんか!
里山サイクリングを通じて意気投合する仲間たち
里山の田園風景が価値に変わる
田んぼが鏡面となり、里山が美しく!
井戸水を組み、この後、美味しいコーヒーに
2024.3.11
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