一般社団法人 かなぎ元気村 メールマガジン11月号
12枚あった月暦もいつの間にか残すところ一枚になってしまいました。
古人の言によれば、「少年易老學難成 一寸光陰不可輕 未覺池塘春草夢 階前梧葉已秋聲」 若い者もすぐに年をとってしまい、学問はなかなか成就しがたい。だから、わずかな時間も決しておろそかにしてはならない。うららかな春、心地よい夢をむさぼるうちにも刻々と時は流れ、気がつけば、もう物悲しい秋の季節が訪れる。と言う意味ですが、実は、亡くなった母の書道の師が条幅に揮毫して下さったこの言葉を自宅にずっと飾っています。別の掛け軸もあるのですが、母は一向に変えようともせず、おそらく愚かな倅への戒めだったのかもしれません。
いつまでも先があるように思えた若い頃には考えもしなかった人生の終着点が前方の視界に入ってくる年齢になると、この詩は切実感を以て心に響きます。後悔先に立たずって、誰だってわかっちゃいるけどね。人生色々、男も色々、女も色々なんです(笑)
遠くに見える山々が日を追って白くなり、津軽は平野も山里も今年の収穫を全て終え、道路には防雪柵が一斉に立ち上がって景色が冬モードに一変しました。来るべき冬はどうなるのかと気になりますが、地球規模の温暖化で昔のようにシバレルこともなさそうです。それよりも世界情勢や国内情勢の緊迫と混乱の度合いが高まっていますし、さらに、最近ショックだったのは、このところ陸奥湾を震源とする地震が頻発し、十和田湖周辺や岩手山の火山性地震も油断ならぬ状況らしいということです。一年の終わりに各家庭で災害への備えを見直すことは絶対に必要ですね。
一般社団法人かなぎ元気村では、みなさんのそばにいつも『かなぎ元気村』ということでメルマガを配信しています。今月も奥津軽の小タヌキのコラムやクマのぼやきをお楽しみください。
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【目次】
1.ウェルビーイング(Well-being)がもたらすもの
2.シリーズ「記憶の断片」その8
3.ウェルネスコラム第25回
「奥津軽に森林鉄道機関車が走り出す夢の実現へ!」
4.あとがき
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1.ウェルビーイング(Well-being)がもたらすもの
最近よく耳にするウェルビーイングという言葉がありますが、簡単に言えば「個人や社
会のよい状態」という意味で、よい状態というのは極めてあいまいであるものの、自分にとってよいこと(主観的)、社会にとってよいこと(客観的)の二面性というところですが、
この分野については、本法人の木谷理事が全国を飛び回って推奨しているので、毎月公開している小タヌキのウェルネスコラムをご覧いただくことで、全国各地の実態を知ることが出来ます。
さて、10月後半から11月にかけては、青森県が力を入れているサスティナブルツーリズム(持続可能な旅行形態)を大手の阪急交通社が錦秋の白神・八甲田・奥津軽を舞台に実施し、私どもはDAZAI健康トレイルを展開して大好評をいただきました。世界自然遺産や国立公園というメジャーな場所とは一転し、全く人気のない静かな奥津軽の里山トレイルは都会の人たちにとっては、それだけで新鮮だったようです。何かと付きまとう不便さはスタッフの手厚いサポートで何とか乗り越えましたし、行動中や別れ際のお客様の笑顔がウェルビーイングを物語っていたような気がします。
もう一つは、縄文ウェルネスをテーマにした下北半島奥薬研での体験プログラムも縄文エッセンスと津軽海峡マグロ女子会によるおもてなしの心意気に溢れて感動的でした。
さらには、青森~野辺地間往復の青い森鉄道ハイボール列車もまた大盛況で、これまたサスティナブル感にあふれた素敵な酔っぱらい旅でした。
青森県にはウェルビーイングにおける参加者の満足度と、経済効果やリピート感をもたらす地域資源が数多くあります。そうした潜在資源を発掘し、効果的な組み合わせで良い流れを作れるのではないでしょうか。
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2.シリーズ「記憶の断片」その8
北海道江差町に私が師と仰ぐ松村隆という文化人がおられます。松村氏は1926年(昭和元年=大正15年)生まれで御年98歳ですが、歴史家・著述家・写真家・文化活動家等々、旺盛な探求心を持つ北海道の至宝というべき方です。古希を過ぎた私ごときは未だ若輩ですので松村氏を語るに憚れるのですが、今回は一つだけ、私と松村氏とその仲間たち(松村一座)による太宰治記念館「斜陽館」での歌語り「遠き昭和に」の思い出を辿ってみたいと思います。
松村氏はシベリア抑留という苦難の人生経験を持ち、常に死と隣り合わせの過酷さの中で、忘れ得ぬ日本の歌をたくさん歌ってきました。復員帰郷後も歌への情熱は変わらず、今も素晴らしい歌声を聞かせてくれます。
2018年9月18日夜、斜陽館米蔵でのこと。Vo松村隆、Gt山田正明、Na室谷元男、2ndVo吉田千織、脚本/映像 伊藤一弘のなんちゃってチームなのですが、これがまた何とも味のあるコンサートでした。古き良き昭和の流行歌のみで、語りと映像は松村氏の生い立ちとシベリア抑留から始まり、復員、帰郷、戦後の日本、江差線のSLと冬の情景など、折々の場面で松村氏が哀愁のギター伴奏でじっくりと歌い聞かせてくれました。あの時のナレーション原稿やお客様にお配りした歌詞カードは今も大切にしています。自分としては二度と出来そうもない渾身のプレゼンツでした。
最後の曲は、小林旭の「遠き昭和の」・・・マジで泣けましたね。
打ち上げは大ボラ吹きまくりで、松村さん100歳になったら日本武道館かNHKホールで松村一座をやろうぜと気勢を上げました。
松村氏は若い女性大好きの現役カラオケ大王であり、私が江差に行くたびに待ち構えて捕縛し、ひいきのスナックに連行されます(笑) 奇しくも師と同じやもめ生活になりましたが、これからは師を見習い、前向きに明るく楽しい人生を目指したいと、今回記憶の断片に記してみました。
そして、病気療養中である哀愁のギタリスト山ちゃん(追分の尺八名人)の復活を心から祈っています。
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3. ウェルネスコラム第25回
「 奥津軽に森林鉄道機関車が走り出す夢の実現へ!」
(一社)かなぎ元気村の理事木谷敏雄(通称奥津軽の小タヌキ)が「日本各地のウェルネス地域の探訪」を綴ります。この小タヌキは、日本各地のウェルネスツーリズムや最近でいうWell-Beingツーリズムによる観光地域づくりの感動請負人(コーディネーター)として各地を飛び回っていて、そこそこ活躍しているらしい(笑)そんな小タヌキのウェルネス地域探訪にお付き合いください。
※ウェルネスコラムはこちら
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4.あとがき
11月に入ってから大好きな芸能人やスポーツ関係者が相次いで亡くなりました。俳優の火野正平さん、大相撲解説の元横綱北の富士さんの突然の訃報は、舞の海さんのコメントと同じく、心にポッカリと穴が開いた感じです。ご存知の通り火野正平さんの自転車による「こころ旅」は13年間も続いたNHKの人気番組でした。超ゆるい旅番組でしたが、私は火野正平さんのキャラクターが大好きで、誰にも好かれるエッチな爺様はこの人以外には思い浮かばないし、火野正平の前の忌野清志郎もまた唯一無二で大好きでした。どうしてこうNHKの自転車番組の人は早死にするんだろうと恨みたくもなります。
ため息をついてるうちに、この頃ふと自分なりのこころ旅をしたいなと思い始めました。元気村の蔵にはお預かりしている電動アシストのマウンテンバイクもあるし、思い立ったら誰かを誘って近場のチャリ旅をしたいなと本気で思っています。
一年の締めくくりである大相撲九州場所が終わりました。大相撲も舞の海と北の富士のダブル解説は中継の目玉だったのでとてもさびしいですが、郷土力士の尊富士は十両優勝からの返り入幕で10勝を上げ、初場所は初日から上位陣と対戦することになるので再び優勝争いに絡んで欲しいですね。隣町の宝富士も渋い上手さを発揮して勝ち越したので応援よろしくお願いします。
皆さん、冬支度はお済になりましたか? 元気村では今年もまた沢山の柿の実がなり、気心が知れた助っ人たちと干し柿づくりをしていました。元気村だけでも1,500個ぐらい収穫したので、これから程よい寒風が吹いて美味しく仕上がるのが楽しみですね。
いよいよ師走を迎えます。この一年の締めくくりも健康であればこそです。皆様12月も息災でお過ごしください。
2024.11.27