
一般社団法人 かなぎ元気村 メールマガジン2月号
かなぎ元気村通信 | 一般社団法人 かなぎ元気村 メールマガジン2月号
越えてゆく 山また山は 冬の山 種田山頭火
皆さま2月はいかがお過ごしでしたか? 今年の冬は全国的に記録づくめの大雪で、日頃から「なんでも一番だばいべな」と開き直るアホな津軽衆もため息ばかりです。それにしても昔と比べれば極寒と猛吹雪は無くなりましたね。桜の花は新芽が形成されてからの累積気温で開花しますので、こんなに大雪でも平均気温が高いので早咲き予報には変わりないでしょう。桜に始まり、桜で終わる津軽のゴールデンウィークはとうとう様変わりすることになりそうです。県内各所の桜まつりは4月末で終わるようですのでご注意ください。
これから春風が吹けば一気に雪解けが進みます。私は積みあがった雪の山にスコップで刻みを入れる昔ながらのやり方でのんびりと雪解けを待つタイプで、どうせ融けて水になるのだからあたふたすることもありません。せっかちで小まめな方々は凄いなと思いますが、性格的な偏向は元気村を見ていただければご理解いただけるかと。ナマケモノではなく、のんびりクマです(笑)
一般社団法人かなぎ元気村では、みなさんのそばにいつも『かなぎ元気村』ということでメルマガを配信しています。今月も奥津軽の小タヌキのコラムやクマのぼやきをお楽しみください。
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【目次】
1.様々な区切りを考える
2.シリーズ「記憶の断片」その11
3.ウェルネスコラム第28回
「縄文をテーマに「まほろば」を実現してWell-Beingへ導く」
4.あとがき
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1.様々な区切りを考える
もう残り一月で2024年度が終わります。気がつけば地域づくりという雲をつかむような命題に取り組み始めて24年になっていました。思い返しても別にあれをやれ、これをやれと命令されていたわけではなく、結果はどうあれ自分の信条でやっていただけです。同調する人もあればしない人もある。そんなのは考えてもキリがありません。ただ、相手や周りに試されてるなと感じると、性格的に受け流せるタイプではありませんし、おう、上等だぜ!ってなってしまうわけです(笑)
これまで様々な委員会や会議のメンバーとして勉強させていただきましたが、時代の流れや組織の変革などもあり今年度でそうした役回りはほぼ終了します。
その中で一抹の寂しさを感じるのは青森県と北海道が連携して14年間も続いた津軽海峡交流圏ラムダ作戦会議が終わることです。この会議には初回から参加していたのでたくさんの思い出があります。委員は変な人たちばかりですが、それぞれに手を組んで数多くのオリジナルプロジェクトを実践し、大学と連携したラムダ塾を開催して学生との対談や交流を行ってきた内容はラムダの教科書としても編集されています。元気村としては津軽海峡圏ウェルネス博、郷土芸能祭、ひばサミット、江差トレイル開発等を通して津軽・下北・渡島の三半島交流が活発化し、多くの人達との交流を実現できたことが大きな成果だったと思います。時代が変わり、人の考え方も変わっていますので、この辺りで舞台を降りられることは老境の自分とって幸運なのかもしれません。ということで、元気村が終わったわけじゃありませんので、大人の遊び場は更にこれからですよ。クマがお相手します。
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2.シリーズ「記憶の断片」その11
今回はソウルフードについて記憶を辿ってみたいと思います。ソウルフードと言ってもアメリカとは本来の意味が違う和製英語らしく、海外の人に伝統料理や郷土料理を説明する際には「ローカルフード」なのだそうです。ソウルフードは日本人にとって「心に刻まれた思い入れのある食べ物」という意味で使う言葉なので、そのレベルで言えば人それぞれの成長年代、地域性、生活環境などで千差万別なのは当然ですね。
例えば自分の場合、高校時代は「ジンギスカン」でした。農業高校の林業科だったので毎月2泊3日の演習林実習があり、実習棟では全て自炊です。その間の一日は小班ごとにブリキのバケツに山盛りで支給される畜産科の羊肉(マトン)、農産製造科の謎のタレ、農業科の野菜を薄っぺらなトタン板で焼くという100%自校産のジンギスカンでした。炭も自分たちで焼いたテキトーなものですから面白いですね。一番怪しいのは「炊事班」というろくでもない連中で、こうしたジンギスカンを3年間食べ続けていましたので今も大好きですよ。あ~ビール飲みてぇなー
そして、大学生の時は「油そば」です。油そばの元祖「珍々亭」は大学の向かいで、週3回ぐらいの頻度で特大を平らげていました。かつて大陸放浪をしていた店主が帰国後に考案したそうで、店は古びたまま今もあります。こんなの書きはじめるとキリが無いのですが、皆様にとっても心に刻まれた思い入れのある食べ物は必ずあるでしょう。季節が来れば食べたいもの、最後の晩餐が来るとしたら食べたいものは何でしょうか? 時々「孤独のグルメ」などを見ていると急に落ち着かなくなるのは、そこそこに健康なのでしょう(笑)
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3. ウェルネスコラム第27回
「縄文をテーマに「まほろば」を実現してWell-Beingへ導く」
(一社)かなぎ元気村の理事木谷敏雄(通称奥津軽の小タヌキ)が「日本各地のウェルネス地域の探訪」を綴ります。この小タヌキは、日本各地のウェルネスツーリズムや最近でいうWell-Beingツーリズムによる観光地域づくりの感動請負人(コーディネーター)として各地を飛び回っていて、そこそこ活躍しているらしい(笑)そんな小タヌキのウェルネス地域探訪にお付き合いください。
※ウェルネスコラムはこちら
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4.あとがき
最近NHKで司馬遼太郎の「坂の上の雲」の再放送をしていたのでずっと見ていました。
日露戦争の勇ましい話は別として正岡子規の句は好きですね。元気村の料理のお品書きには子規の句もよく引用しています。当時の子規を支えていたのは陸羯南(くがかつなん)という弘前出身で「日本新聞」を創刊した硬骨の言論人(ドラマでは佐野史郎)でした。 一方で、この時代の日本を救った立役者の一人で稀代の財政家と称えられる高橋是清(ドラマでは西田敏行)の真筆扁額を元気村の座敷に飾ってあるのですが、ふと、このメルマガを書いている今日は2月26日だと気がつきました。そう、昭和11年2月26日に起きた軍事クーデター2.26事件です。高橋是清をはじめとする昭和天皇が信頼する重臣たちが暗殺され、この後の日本は暗黒の時代へ突き進むことになります。奇しくもこの夜首相官邸を襲ったのは津軽出身の青年将校でした。こういうのを知ると気が滅入りますね。今こうして元気村に一人でいると高橋是清が降りてきた気がして、心から世界の平和を願わずにはいられません。
さて、そろそろ春風らしきものが吹いてきました。こうして深い雪に閉ざされているとつい童謡の「どじょっこ ふなっこ」を口ずさんでしまいます。この歌の発祥地は秋田市だそうで、金足西小学校の校庭には、童謡「どじょっこ ふなっこ」の歌碑があるそうです。
西津軽の木造田植え唄(きづくり たうえうた)にも同じような歌詞があり、春が待ち遠しい雪国の心情はどこも同じですね。皆様、3月も息災でお過ごし下さい。
2025.2.28