一般社団法人 かなぎ元気村 メールマガジン9月号

9月になると猛暑も終わりかなと思っていましたが、私のような自由人の日中はまだ半袖短パン生活で笑っちゃいます。青森県の連続真夏日は過去最高を記録し、よもや今までこんな開放的な格好で過ごすとは思ってもみませんでした。高気温のために昔に比べると稲刈りも早まっていて、ここ津軽平野も9月の一週目から刈り取り作業が始まり、もはや終盤の様相になりました。田んぼに稲が無くなると途端に広漠とした景色に一変し、うら寂しさを感じるばかりです。
不思議なことに県内にはまだ台風が一度も来てなくて、それはそれでラッキーなのですがこの先何やら不穏な気がします。幸い当地のお米は大豊作のようですが、米価の高騰と庶民経済のバランスはチグハグなままで、特に人口減少による経済の深刻さは住む人でなければわからないでしょう。自民党の総裁選びが始まり、新しい内閣が誕生するにしても利害関係や足の引っ張り合いばかりで、主権者であるはずの国民は最下層に置き去りにされたままなのではないかと悲しくなりますね。
一般社団法人かなぎ元気村では、みなさんのそばにいつも『かなぎ元気村』ということでメルマガを配信しています。今月も奥津軽の小タヌキのコラムやクマのぼやきをお楽しみください。

==================================
【目次】
1.戦後80年の雑感
2.シリーズ「記憶の断片」その18
3.ウェルネスコラム第35回
「社会的にも満たされた状態を創出するボランティアツアーでWell-beingに!」
4.あとがき

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

1.戦後80年の雑感
今年は戦後80年となり、時代の生き証人も残り少なくなりました。20世紀は戦争の世紀であったことは間違いありませんし、戦争の悲惨さや悔悟については様々な立場や視点で語られていますが、この夏のNHKドラマ「シミュレーション~昭和16年夏の敗戦」を見ていて複雑な思いに駆られました。実在した総力戦研究所による日米開戦のシミュレーションは「必敗」だったにもかかわらずです・・・ 敵味方の区別なく、亡くなられた数多の人々の心情を察するに安易な言葉は慎むべきで、今生きている自分たちはどうあるべきか答えは簡単なはずですが、世界の現実は何も変わらず愚かさの繰り返しです。
9月12日は北海道江差町の江差ジャズクラブと江差文化協会の主催により、敬愛する松村隆氏(99歳)の「歌と語りで繋ぐ戦争」というライブステージに参加しました。ライブのゲストは江差町出身で沖縄に移住して本格的に島唄を学び、七飯町にUターンして沖縄食堂を営む堀内加奈子さんという方で、私は那覇の酒場で島唄に魅了されて以来19年ぶりの再会でした。沖縄にも米軍による捕虜収容所があったそうで、シベリアに抑留されて過酷な労働を強いられた松村氏と同じく歌のチカラが望郷の思いを強くし、生き抜くモチベーションになっていたそうです。
私たちは戦後生まれで、親も周りも戦争の話はあまり話したがらなかったのですが、松村氏の歌に込められた情景に涙せずにはいられませんでした。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

2.シリーズ「記憶の断片」その18
 2001年9月11日8時46分 (日本時間11日21時46分)、アメリカ同時多発テロ事件が発生しました。私はこの日の夜、開館してまだ日も浅かった旧中里町の総合文化センター「パルナス」で前衛的な民謡歌手、伊藤多喜雄のライブコンサートを楽しんだ帰りに地元金木町の寿司屋のカウンターで飲んでいました。当時はカウンター奥に小さなテレビがあって、NHKの番組を見ていたら突然画面が切り替わり、何やらアクション映画のようなシーンが映し出されました。アナウンスも何もなくいきなりでしたので、にわかに状況を察することが出来ず無言のまま目が点になって体が固まってしまいました。
あれ以来毎年9月になるとあの夜の衝撃が必ずよみがえります。攻撃を受けたアメリカはもちろん、このテロに対する国際的な反発は大きく、この事件を契機としてアフガニスタン紛争が勃発し、世界規模での対テロ戦争が始まり、イスラム世界への極度な偏見が生まれたように思います。やられたらやり返す歯止めが利かない殺し合いの連鎖。果たして宗教の目的は何なんでしょうかね? 何教であれ世界と人類の平和が目的なのではないのでしょうか? 善男善女は皆愚かなのでしょうか? 世界は破滅に向かっているとしか思えません。
 11日と言えば、あの東日本大震災が発生したのは2011年3月11日です。この11日を鎮魂の日として毎月11日には必ずキャンドルを灯す人もいます。自分(自国)は一切悪くない、自分(自国)が悪い方向にあるのは他者(他国)のせいだという一方的な理屈を通そうとするのは民族的なDNAなんでしょうか? 国民の不満のガス抜きをしようとする政治的な手段なのでしょうか? 明日なき世界は嫌ですね。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

3. ウェルネスコラム第35回
「社会的にも満たされた状態を創出するボランティアツアーでWell-beingに!」
(一社)かなぎ元気村の理事木谷敏雄(通称奥津軽の小タヌキ)が「日本各地のウェルネス地域の探訪」を綴ります。この小タヌキは、日本各地のウェルネスツーリズムや最近でいうWell-Beingツーリズムによる観光地域づくりの感動請負人(コーディネーター)として各地を飛び回っていて、そこそこ活躍しているらしい(笑)そんな小タヌキのウェルネス地域探訪にお付き合いください。
※ウェルネスコラムはこちら

社会的にも満たされた状態を創出するボランティアツアーでWell-beingに!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

4.あとがき
ここ数年で津軽の山の景色が激変しています。遠目からでも多数の樹木の葉が赤く枯れていて、それはカシノナガキクイムシ(カシナガ)が媒介するナラ菌により、ミズナラ等が集団的に枯損する「ナラ枯れ」が発生しているためです。当地ではミズナラ、コナラ、カシワ、クリの被害が主で、とりわけミズナラの大径木の被害が目立ち、ほぼ全滅状態になっているようです。地面には幼木が自然発生しているので樹木が絶えることはないにしろ、ドングリが実らなくなる状況は野生動物にとっては死活問題です。近年は野生動物による人身被害が増え続け、飢えた熊が狂暴化して人を襲う例が後を絶ちません。いまさらどうにもならず人命を守るためには個体数を減らすしかないのですが、プロハンターやレジャーハンターは絶滅に瀕しており、なおかつ規制だらけで目の前の危険に対応できないのはどうしたことでしょうか。
 私たちは奥津軽トレイルを主宰していますが、熊の出没を警戒してこのところトレイルガイドの要請はほぼありません。これからのキノコ採りもどうしたもんだろうかと個人的には欲求不満状態に陥っています。
天高く馬肥ゆる秋になりましたし、これから気温が下がってくると美味しいものがたくさん出回ります。私事ですが歳を重ねても食い気が衰えないのは健康な証なのでしょう。 皆様10月も息災でお過ごしください。

2025.9.30

その他の記事

月別アーカイブ

タグ一覧

Movie

動画一覧