一般社団法人 かなぎ元気村 メールマガジン12月号
一般社団法人 かなぎ元気村 メールマガジン12月号
とうとう2025年(令和7年)も7日を残すのみとなり、今日はクリスマス・イブです。新旧は抜きにして年中行事や歳時記というところからすれば日本は近代国家になる以前から八百万の神が人々の暮らしと共にあり、さらに他国の文化も生活の流れに溶け込むという世界唯一の寛容な国なのではないでしょうか。
戦後の復興期に生まれた私たち世代はジングルベルやサンタクロースに今も変わらず胸がときめきます。ホワイトクリスマスという情景はそれにふさわしいものですが、驚くことに今年は里に全く雪がありません。ラジオからは山下達郎の「クリスマス・イブ」が盛んに流れていますが、雨は夜更け過ぎに 雪へと変わるだろう・・・ 変わりそうもありませんね。今夜も雨で残念なレイニー(rainy)クリスマスになりました。それでもご家族や親しい人と笑顔で穏やかに過ごせることは幸せなのです。楽しんでますか?クリスマス・イブ。
一般社団法人かなぎ元気村では、みなさんのそばにいつも『かなぎ元気村』ということでメルマガを配信しています。今月も奥津軽の小タヌキのコラムやクマのぼやきをお楽しみください。
==================================
【目次】
1.台湾ウイスキー
2.シリーズ「記憶の断片」その21
3.ウェルネスコラム第38回
「推しのコンテンツ『奥津軽アドベンチャーグラベルライド』で台湾との交流を図る」
4.あとがき
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1.台湾ウイスキー
12月からNHKの朝ドラ「マッサン」の再放送が始まりました。酒好きの私としては大好きな番組で、この番組でウイスキーにどハマりするきっかけになったのは間違いありません。ちょうどこの時期にとある委員として毎月仙台へ通っていましたので、ニッカウヰスキーの宮城峡蒸溜所を訪ねたり、マッサンが目指していたスコットランドのアイラ島のスモーキーモルトを初めて仙台のバーで知りました。アイラモルトの王「ラフロイグ」、好き嫌いは極端ですが、はまりますよ。日本でこれに近いのは北海道の厚岸町の蒸溜所で作られる厚岸ウイスキーだと思います。たった一度だけ飲んだことがありますが、共通のヨード臭はおそらく海藻由来のピートからなのでしょう。希少品でなかなか手に入れることが出来ない分高価ですね。日本映画の室井慎次で柳葉敏郎がベランダでチビチビ飲んでるのがこれです。ニッカのスモーキーさはマッサンが求めていたもので私はニッカ派ですね。
さて、台湾シリーズの続きなのですが、ウイスキーというのは麦を原料とした蒸溜酒で、元々はイギリスやアイルランドの特産でしたが、私が語るまでもなく今では世界の国々で作られていて、その味わいは小宇宙的であると思います。それが近年も近年、2005年に台湾に民間企業グループ「カバラン(KAVALAN)蒸溜所」が開設され、2006から本格的なスコットランドの手法によって台湾国内で蒸溜されるようになり、わずか数年の間に世界的な賞を受賞して国際的な注目を集めていることはマニアの方ならご存知でしょう。その代表銘柄がKAVALANで、その成功をきっかけに国営企業の「オマー(OMAR)蒸溜所」や小規模なローカル蒸溜所も続々と誕生して台湾のウイスキー市場は面白いことになっています。
台湾は南国ですが標高の高い山岳地帯が多く良質な水に恵まれ、しかも気候的に短期間で熟成が進むことをアドバンテージに換えて、冷涼気候での長期熟成という常識を打ち破る高品質を達成しているのだそうです。先日阿里山の高山地帯から夕暮れを見ていましたが、夜になると谷間には深い霧が発生し、ふとマッサンで見ていた光景が浮かび上がりました。台湾ウイスキー、安くはないですけど美味いですよ。是非一度飲んでみてください。
そもそも台湾の人達はウイスキーが好きらしく、スコッチの輸入量は世界第三位だそうです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
2.シリーズ「記憶の断片」その21
つい先日12月8日23時15分、寝入りばな緊急地震速報のアラートが鳴り響いて飛び起きました。数秒後に家が軋む強烈な揺れが襲い、ただならぬ恐怖を感じました。幸い停電が発生しなかったのでテレビから素早い情報を得られ大きなパニックにはなりませんでしたが、これほど強烈な揺れは14年前の東日本大震災以来であり、大きな津波や火災が発生しなかったのがせめてもの救いです。14年前の3月11日は東日本にとっては最悪でした。
昨年1月1日の能登半島地震も現地にとっては最悪だったでしょう。さて、今回を振り返ってみて、アラートで布団から飛び起きて直ぐには逃げられませんでした。私自身山岳ガイドですから非常ライトや食料や衣類の備えはあるにせよ、その場所は家の中ですし、家がつぶれなかったという前提でしか役に立ちません。冬の最中に身一つで逃げる場面を想像するにつけ、私自身の備えがお寒い限りの気休めでしかなかったのは正直なところです。恐怖冷めやらぬ翌日、中学の教職員が言ってたことにも愕然としました。
つまり、今の中学生は14年前の3.11のことを知らないわけで、高校生にとっても幼児なので記憶が無いわけです。そして、先日の地震が人生最大の恐怖だったと騒いでいたことにこの先の防災意識を地域社会や教育現場でどう高めるのか強い危機感を感じたそうです。あの2011年3月11日の恐怖と長く暗い夜の記憶を風化させてはなりません。何よりも人命が尊いことは言うに及ばずです。必ず助け合って生き延びなければならないのですから。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
3. ウェルネスコラム第38回
「推しのコンテンツ『奥津軽アドベンチャーグラベルライド』で台湾との交流を図る」
(一社)かなぎ元気村の理事木谷敏雄(通称奥津軽の小タヌキ)が「日本各地のウェルネス地域の探訪」を綴ります。この小タヌキは、日本各地のウェルネスツーリズムや最近でいうWell-Beingツーリズムによる観光地域づくりの感動請負人(コーディネーター)として各地を飛び回っていて、そこそこ活躍しているらしい(笑)そんな小タヌキのウェルネス地域探訪にお付き合いください。
※ウェルネスコラムはこちら
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
4.あとがき
この歳になりますと年毎にお別れする人が増えてきます。当然自分も西に向かって歩いている訳ですからなるべく身軽になりたいと思うし、一方でお世話になった人々に自分が健在であるうちにどんな恩返しができるだろうかと想いを巡らせています。来年こそは元気村という場を通してお世話になった人達との記憶の断片をつなぎ合わせて些かなりとも形にしたいと考えています。これまで元気村で取り組んできたことは次世代に引き継ぐことが出来ますので、そうしたネットワークでこの先のことを考えるつもりです。
話は変わり、先日思いもかけなかったプレゼントが台湾から届きました。台湾の視察で大変お世話になった熱血先生から阿里山林業鉄路の鉄道員が身につけている帽子(非売品)や鉄道沿線地域の歴史・文化・産業・生活風俗などが紹介されている書物や、日本統治時代の阿里山一帯の俯瞰図(複製品)を頂きました。当然ながら中国語繁体字ですが、Google翻訳や自分のポケトーク翻訳で容易に読み進めることが出来ます。毎日やってると楽しいですよ。いただいたプレゼントは本当に私の宝物です。思い残すことはないと言いつつも、知れば知るほど魅力あふれる台湾ですから、また虫が騒ぐと思います(笑)
「日に日に世界が悪くなる 気のせいかそうじゃない」、と朝ドラの主題歌の歌詞にありますが、皆さんにとって行く年はどうでしたでしょうか。来る年は世界の平和と日々の平穏無事を祈ります。今年もお世話になりました。拙いメールマガジンにお付き合いいただき心からお礼申し上げます。皆様息災にて新年をお迎えください。
2025.12.26

