『縄文のここちよい時間探しを』|小タヌキのウェルネスコラム第4回
縄文はウェルネスだった妄想を書き綴ってきたコラムも第4回目を迎える。今回は縄文時代にあった、ここちよい時間探しがウェルネスにつながると提案したい。
コラムでは、縄文人は自然のここちよいリズムの中で、規則正しく暮らしていたと妄想を膨らませてきた。最後に挙げるウェルネスの理由は、健康の3要素である運動×栄養×休養のバランスの摂れた日々だったという点だ。
朝から、森の中を駆け巡り狩猟を行い、山菜やキノコを採取。天気によっては海岸線を歩き、漁を行う。毎日、豊富な食材が手に入るわけもなく…。貯蔵穴は確認されているが、長期保存方法は未発達。ゴロゴロな生活なんてせず、美味しいを求めて山林を駆け巡っていたに違いない。
当時は魚醬があったともいわれるから、家庭料理は多彩になっていただろう。炎を囲みながら、ボーナスとして肉の塊を頬張っていたかも。そして、エネルギーの源は三内丸山遺跡で生産が確認された栗。糖質を多く含み、ビタミンB、Cなど栄養価の高い食材が主食だった。さらに縄文土器や漆器は、現代美術につながる文様や色合いでもあるので、彩があり、笑顔溢れる食卓だったに違いない。
そんな日々がリズム感のある暮らしだったから、交感神経と副交感神経のバランスもよく、竪穴式住居の中で、深い眠りが訪れていたはず。
現代のこの地に代々育まれた私たちには 縄文から継承されてきた、自然と共生できる生き方のDNAに受け継がれていると思うのだ。
だから、まず私たちが自然と共生し、規則正しく、バランスの摂れた縄文の生活を妄想する時間を楽しんでみる。
私が縄文を想起する、とっておきの場所がある。青森市内から車で30分程にある眺望山。ここは、私も時々ガイドを務める奥津軽トレイルのひとつのコースにもなっている。縄文よりはるか昔から息づく青森ヒバ林が存在する。巨木「踊りヒバ」との出会うと、インスパイアされ、縄文時代へ引き込まれる。その枝ぶりが縄文土器のデザインを生み出したのではないか…と思わせる。そして、このヒバ林を食材を追い、駆け巡る縄文人の姿が思い浮かぶのだ。
ヒバ林にハンモックを吊るして横になる。まっすぐに伸びるヒバのざわめき、隙間からの木漏れ日によってココロとカラダが整っていく。1/fゆらぎを実感できる時間。
このコースをご案内していくとお客様に変化が生まれているのを実感する。ウェルネスへの「気づき」が生まれ、一緒に歩く仲間とのつながりや絆の実感が湧き上がっているのが伝わってくるのだ。
縄文にタイムスリップして衣食住のすべてを縄文のように実践するには無理があるから、縄文のウェルネスな生活に焦点を当てて、その一部を切り取って現代生活に組み込んでみてはどうなのであろう。すると私たちのDNAが刺激され、ウェルネスな生活へ導かれるのではないか。
縄文が世界遺産になった今だからこそ、奥津軽のフィールドで縄文の妄想を熱く語る、そんな時間を過ごしていただきたいのだ。そして、縄文へタイムスリップして今の時代にここちよい時間を蘇らせ、縄文ウェルネスな生活へ
縄文を妄想する津軽海峡圏ウェルネス博を推進する仲間たちと「踊りひば」の前でインスパイア
2023.1.10
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