ボランティアツーリズムでウェルネスな時間を@千葉県南房総市|小タヌキのウェルネスコラム第6回
大房自然公園のボランティア活動。みんなで今日の目標に向かい、ひたすら作業をする
気候変動の影響も含めて、どこかの地域が毎年必ずと言っていいほど、自然災害に巻き込まれている。ニュースでは、その度にボランティア活動を通じて精力的に地域を支援する方々の懸命な姿を拝見する。
そもそもボランティアという言葉が日本にしっかりと根付いたのは、実は1995年の阪神淡路大震災時の活動から。復旧・復興には延べで167万人といわれるボランティアが参加した。この地震をきっかけにして、社会貢献活動を実践する特定非営利活動法人NPOが社会に根付いていくことにもなり、この年が『ボランティア元年』とも呼ばれる。そして、東日本大震災をはじめ、豪雨災害などで多くのボランティアが活躍されるようになり、その真摯な活動が復旧の手助けをし、多くの人たちのつながりを生むことにもなっている。
私自身もしっかり活動するようになったのは、あの東日本大震災の時から。あの時はナリフリかまわず活動していた印象がある。
その後、主体的に被災地支援をしたのは、2019年の南房総を襲った台風15号、19号が甚大な被害を及ぼした折。南房総でヘルスツーリズムによる地域づくりを推進していたこともあり、15号の被災直後、南房総に会社のメンバーに声をかけ、急ぎ向かった。
富浦ICを出て、街に入ると見慣れた風景が一変していたことを思い出す。
南房総の象徴でもある道の駅「とみうら枇杷倶楽部」の一部が骨組みだけに。電力会社の工事車両がやたら往来し、そして、家々の屋根は一面ブルーシートに覆われていた。
そして、ウェルネスプログラムのメインフィールドである大房岬自然公園へ向かう。途中にあるリゾートホテルのガラスは砕け飛び、公園の森を形成するマテバシィや桜の樹は根こそぎ倒木となっていた。
ヘルスツーリズム推進で連携していたNPO法人千葉自然学校が、大房岬自然公園自然の家を運営しながら、公園管理をしていることもあり、各地の自然学校から30名を超えるボランティアが駆けつけていた。彼らは各地の災害のサポートに入っていることもあり、指示と動きに無駄がない。その日メイン作業は倒木の片づけであったが、チェーンソーが鳴り響き、やがて明るい景観を取り戻していく。所長の神保清司氏は「途方に暮れていましたが、みなさんのお力で先が見えてきました」。
しかし、台風19号が追い打ちをかけるように南房総を襲う。学生時代に南房総市原岡海岸で海の家をサークルが運営していたこともあり、今度は学生時代の仲間たち10名と海岸清掃のボランティアに訪れた。連日の自宅の復旧に疲れている地域住民が主導し、30名程度で作業に入る。大量の倒木とゴミが浜に流れついている。浜の復活をめざし、分担された作業が進んでいく。目標に向かい、ひとり一人の力が束になれば、その力は掛け算になる。ラクビーワールドカップやWBCの日本代表のように「ワンチーム」とはいえなかったが、時間経過とともに役割が明確になりチームができていく。作業は続き、夕刻終了。疲れた顔にも広がる笑顔の輪。「ありがとう」と交わす言葉に心熱くなる。
この現場で実感したことは、「つながりを持つこと」「感謝する・されること」こそ、すべての人の健やかなる生活につながるということ。そこで掻く汗こそ、すべての人の明日への活力となるということだ。
さて、いきなりではあるが、健康の定義をご存じであろうか?
世界保健機関(WHO)憲章前文では「健康とは、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが 満たされた状態にあること」と記載されている。今日ここで重要なのは「社会的にも」ということ。家族、会社、そして地域社会としっかりと交わっている、関っている、その状況こそが、健康といえるのだ。
だから最近、私は唱えている「ボランティアツアーは、ウェルネスプログラムと」。目標が設定され、チームで作業を進めていく。全体の一部でも達成すると、社会との関わりに気持ちが満たされ、前向きになっていく。おそらく、様々なボランティア活動に参加していけば、その行動が、いつしか当たり前になるのであろう。それこそが、社会的にも健康になるということではないか。
今後も様々な地域が自然災害に巻き込まれるのかもしれないボランティアツーリズムに参加する行動を起こすこと、それは自らが健康であるという証明でもある。いざ、現場へ!かなぎ元気村でも、今年はボランティアツアーやります。
原岡海岸の海岸清掃。すっきりと生まれ変わる浜辺にココロが喜ぶ
奥津軽トレイルで令和3年10,11月に行ったツアー
みちのく松陰道 道普請ボランティアツアーの動画です。
幕末、吉田松陰が北方視察で歩いた道を普請する 心地よい汗を流して生まれる一体感。
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