一般社団法人 かなぎ元気村 メールマガジン10月号
初冬に向かっていよいよ秋が深まって来ました。10月はお天気が安定して、天体ショーというものを久しぶりにじっくり見た気がします。地球に最接近した紫金山・アトラス彗星や、スーパームーンと称される満月をご覧になった方々も多かったと思いますが、自分としては宮沢賢治の「星めぐりの歌」で表現される宇宙観が好きですね。
今年の津軽は台風や異常気象の被害が少なく、お米もリンゴも大豊作になりました。 しかし、日常生活に不可欠なあらゆる物価が高騰し、政府が躍起になっている賃上げや所得向上に縁がない私たちローカル住民にとってはますます生活が苦しくなるばかりです。「生きやすさ・暮らしやすさ」という国民生活が地方格差のデコボコ道なのはどうにもいただけませんね。
一般社団法人かなぎ元気村の10月は国や県に採択された提案事業の実施で大忙しでした。自分の足で歩き、五感を呼び覚ます旅のスタイルを提供するのが元気村スタイルですから、今回もこうした取り組みを外国の人達にもモニターしてもらおうと、県内にいる留学生、国際交流員、大学講師、ALTの方々に呼びかけました。10月の3連休・3連発のモニター体験でしたが、絶好のお天気に恵まれて奥津軽の野山と歴史文化を体験したことは参加者にとってかけがえのない思い出になったようです。いつも思うのですが、短い時間でも楽しさを共有した後の別れは寂しいものですね。
この一連のプログラムと津軽海峡圏Well-being博については下記のSNSからもご覧いただけます。
https://www.facebook.com/kadarube
https://www.facebook.com/tugaruwellness
一般社団法人かなぎ元気村では、みなさんのそばにいつも『かなぎ元気村』ということでメルマガを配信しています。今月も奥津軽の小タヌキのコラムやクマのぼやきをお楽しみください。
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【目次】
1.全国森林鉄道サミットin木曽
2.シリーズ「記憶の断片」その7
3.ウェルネスコラム第24回
「薬研温泉郷の蘇りのサプリを「縄文Well-Beingエクスペリエンス」へ」
4.あとがき
1.全国森林鉄道サミットin木曽
昨年から全国持ち回りで始まった取り組みですが、今回も一般社団法人かなぎ元気村の奥津軽トレイル倶楽部から木谷理事が参加しました。
この取り組みの趣旨は、豊かな自然と歴史ある森林鉄道の文化が息づく全国の地域が手を結び、森林鉄道の歴史や現状、未来について語り合うことを目的としているもので、青森県からは私どもの他に青森市森林博物館と中泊町博物館が名を連ねています。
かつて津軽半島に施設された津軽森林鉄道は日本初、国内最長路線であり、その後下北半島にも森林鉄道網が張り巡らされて、林業の発展と地域の生活を支えた重要な交通手段だったことを忘れてはいけません。
全国に目を転じれば、森林鉄道の保存・活用は、地域の活性化や自然環境の保全に寄与する重要なテーマであるとして、観光資源に活用している成功事例もたくさんあります。
土地の記憶を消さず、地域らしさを未来につなげる行政のセンスというものを皆様はどうお考えになるでしょうか。
全国森林鉄道サミットは動画でも配信されていますので下記のURLからご覧ください。
https://www.kisorintetsu.net/
奥津軽トレイル倶楽部のSNSでも紹介しています。
https://www.facebook.com/okutsugarutrail
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2.シリーズ「記憶の断片」その7
郷土の誇り「吉幾三」のことで、ふと思い出した場面があります。
2010年9月5日、「太宰ミュージアム津軽まつり」のメインステージに吉幾三は立っていました。このイベントは太宰治生誕100年を契機に、芦野公園全体をフィールドにしたスケールの大きい官民協働による野外文化祭として極めて発展的な内容でした。
この日の目玉はもちろん彼のトークショーで、とりわけ残暑が厳しかったにもかかわらず彼は居を正したスーツとネクタイ姿で登場し、故郷への想いをあの名調子で語り、客席は笑いと感動が渦巻いていました。
この日はあくまでトークショーだったのですが、会場の期待感を察した彼はきづくり田植え唄から名曲「津軽平野」をアカペラで朗々と歌い、最後にブルースシンガー新井英一の「清河への道」(チョンハーへの道)を見事に歌い上げました。この曲は48番まである大河小説のような名曲で、私も大好きだったので、全く予期せぬサプライズに図らずも涙があふれてしまいました。吉幾三が抱く故郷津軽への思いを照れ隠しにしているようで、こんな粋なことが出来るのが吉幾三なんだとつくづく思ったものです。
偶然にもこの日の清河への道をYouTubeで見つけたので是非聞いて欲しいと思います。今から14年前、私はPAの席にいてボロ泣きしていました。
2010年9月5日 太宰ミュージアム津軽まつりでの吉幾三
https://www.bing.com/videos/riverview/relatedvideo?q=%e3%81%a1%e3%82%87%e3%82%93%e3%81%af%e3%83%bc%e3%81%b8%e3%81%ae%e9%81%93&mid=9DE25B07BCE65F505D8D9DE25B07BCE65F505D8D&FORM=VIRE
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3. ウェルネスコラム第24回
「薬研温泉郷の蘇りのサプリを「縄文Well-Beingエクスペリエンス」へ」
(一社)かなぎ元気村の理事木谷敏雄(通称奥津軽の小タヌキ)が「日本各地のウェルネス地域の探訪」を綴ります。この小タヌキは、日本各地のウェルネスツーリズムや最近でいうWell-Beingツーリズムによる観光地域づくりの感動請負人(コーディネーター)として各地を飛び回っていて、そこそこ活躍しているらしい(笑)そんな小タヌキのウェルネス地域探訪にお付き合いください。
※ウェルネスコラムはこちら
https://kanagi-genkimura.org/2024/08/20/wcolms_24/
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4.あとがき
10月6日は北海道の江差町で津軽海峡交流圏郷土芸能祭を行いました。この日の江差追分会館は満員御礼そのもので、下北半島佐井村から参加した福浦歌舞伎、江差追分と江差餅つき囃子、津軽民謡による超豪華ステージで大いに盛り上がりました。軽薄にも開幕の挨拶を引き受けてしまいましたが、もう自分の残り人生の中ではこうした芸能ステージにかかわることはないだろうと思っていたので久しぶりにやり切った感があります。
さて、この後は11月16日に青い森鉄道、青森~野辺地間の往復でハイボール列車があり、ここでも青森市出身の紀行作家、山内史子さんとタッグを組んで太宰治とウヰスキーに関する小話をします。東京銀座のBAR「ロックフィッシュ」のオーナーバーテンダー間口一就氏による宇宙一美味しいと言われるハイボールを飲んで、またもや人間失格になりそうな気がしますね(笑)
とうとう晩秋になり、紅葉が里まで下りてきました。寒くなると魚の種類が豊富になり、市場に買い出しに行っても目移りしっぱなしで、炉端家クマは何を焼くか毎回悩んでしまいます。サンマはますます魚体が大きくなって美味しさが増してきたし、この頃は北海道産のハタハタがクマのおすすめです。今の北海道産は魚体が大きくお腹もふくれて卵も白子も美味しいですよ。ハタハタの田楽焼きは日本酒好きにとってはたまらない魔力がありますね。毎回お酒の話ばかりですが、友人たちから新米を頂戴し、「口福」という当て字が言い得て妙だなと思いました。瑞穂の国は平和で食料に困らない国であって欲しいと願うばかりです。
寒くなってきますと潜伏しているコロナウィルスや季節性のインフルエンザウィルスが再び活発化しそうです。皆様、11月も息災でお過ごしください。
2024.10.28