一般社団法人 かなぎ元気村 メールマガジン8月号

8月は言わずと知れたお祭りラッシュの青森県。お盆前までは津軽地方、南部地方を問わず「毎日どこかで何かが面白い」という全国的にも特殊な土地柄なのではないでしょうか。特に気質的に派手好みの津軽では、ねぶた期間を過ぎても夕暮れ時になると必ず遠くからどこかの市町村で打ち上げる花火の音が聞こえます。昔は行く夏を惜しむかのように秋風が吹き、虫の声が聞こえていましたが、果たして今の現実はどうでしょうか・・・
ねぶたが終わってお盆になると「一雨ごとに涼しくなる」なんて昔の話で、祭りの後もクソ暑いだけですね。
 つい先日、お隣のつがる市でエコツーリズムのガイド養成講座があり、私はアウトドアでの危機管理講座を担当していました。その中で熱中症も低体温症も人間の平均的な体温のほぼ+-1.5度の範囲で発症することを警告し、それを予防するための意識啓発の重要性を力説していました。とは言え、私たち世代が特にスポーツをする中で言われてきたことは、水ばかり飲んでると汗をかいて体力が奪われるのでなるべく水を飲むのを我慢しろという完全に間違った指導でした。危機管理という分野では昔と今の矛盾点が数多くあり、思わず笑ってしまうことも少なくありませんが、起きてしまったら笑い事では済まないし、日常生活でも必ず役に立ちますので知識として身につけることをおすすめします。
熊に出会ったら死んだふりをするってのも近年まで信じられていたのを思い出すとゾッとしますね。
一般社団法人かなぎ元気村では、みなさんのそばにいつも『かなぎ元気村』ということでメルマガを配信しています。今月も奥津軽の小タヌキのコラムやクマのぼやきをお楽しみください。

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【目次】
1.アウトローのススメ
2.シリーズ「記憶の断片」その17
3.ウェルネスコラム第34回
「ひとりひとりのポジティブな行動が地球沸騰化を減速させる?!そしてWell-beingへ」
4.あとがき

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1.アウトローのススメ
タイトルだけ見ると不穏当ですが、これは笑い話でありながらも大切なことです。
アウトローとは「法による秩序を無視する者」、「無法者」という意味ですが、つい数日前、ある雑誌で「アウト老」という造語を目にして可笑しさが止まらなくなりました。
なるほど実に言い得て妙です。この造語は「マイブーム」という流行語を生んだ「みうらじゅん」という、イラストレーターなのか、一人電通と称するふざけたコピーライターなのか、つかみどころがない謎の人物で、とかくネガティブな心境をポジティブワードに変換して老いを笑い飛ばしながら、好い意味での「はみだし老人」を目指すのだそうです。不安な時こそ「不安タスティック!」と唱えればいいそうだ(笑)
さて、楽しい話の腰を折るようで恐縮ですが、2024年の五所川原市全体の出生数は184人で、この内金木地区では10人に満たない状況です。つまりこの先、金木に限らず全国的に地域の未来を支える人間がいなくなるのであれば、今いるシニア世代が健康寿命を延ばして地域を支えるしかないわけです。「アウト老」はそうした心意気を示すスローガンになりそうな気がしますね。元気村もそうした場所づくりを進めています。笑いを力に換えましょう。

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2.シリーズ「記憶の断片」その17
私たちが奥津軽トレイルを始めてから日も浅い2015年10月は視察研修で高知県にいました。
国指定重要文化財に指定され、地域の活性化維持に大きく寄与している旧梁瀬(やなせ)森林鉄道遺構群の活用状況と地域産業の現状を自分たちの目で見ようと室戸岬に近い奈半利町、北川村、馬路村へと走りました。津軽森林鉄道は日本初の森林鉄道ですが、この後の2番目は梁瀬森林鉄道です。想像を絶するほど山深い四国山地の遺構群は今も地域の生活と共にあり、しっかりと目に見える形でその記憶が伝えられています。併せて特産の梁瀬スギやヒノキを使った工芸品や生活用品の製造工程も目にしました。
当時の馬路村は産業視察地としては全国一の人気であり、特産の柑橘「ゆず」の多岐にわたる商品化と国内外に販売展開するオペレーションシステムには目を奪われ、役場の方から話を聞いてさらに驚きました。簡単に言えば生産者を含む就労人員は全て村内とその近郊の村人ばかりで、就労可能年齢の女性のほとんどが村営の柚子産業に従事していて、村役場はそれに合わせて住環境や子育て環境を整備してきたので移住者が増加しているということでした。加えて林業も木材加工産業もきちんと連結され、それらを活かすために森林鉄道の歴史を主軸にした観光産業までもが成り立っていました。
さらにもっと衝撃的だったのは、エコアス馬路村で製造されている木製バックです。そのファッション性と実用性は実に見事でした。
森から生まれた新しい木のカバン monacca(モナッカ)公式サイト https://monacca.jp/ を是非ご覧ください。
四国山地は標高1,000mを越す険しい地形の連続で、そうした険しい山中に水力を使って丸太とトロッコを川沿いの鉄道まで上下させる「インクライン」という構築物は壮大な規模であり、観光用として実際に水力を利用したケーブルカーに乗ることもできます。インクラインは私流に表現すると、スキーのジャンプ競技のジャンプ台(ノーマルヒル相当)とほぼ同じで、その技術とスケールには開いた口が塞がりませんでした。
あるんですね、こんなところがまだ日本に。是非また行きたいです。
馬路森林鉄道インクライン https://tabi-mag.jp/ko0276/
梁瀬森林鉄道 森の駅やなせ https://umajimura.jp/spot/yanase-railway/

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3. ウェルネスコラム第34回
「 ひとりひとりのポジティブな行動が地球沸騰化を減速させる?!そしてWell-beingへ 」
(一社)かなぎ元気村の理事木谷敏雄(通称奥津軽の小タヌキ)が「日本各地のウェルネス地域の探訪」を綴ります。この小タヌキは、日本各地のウェルネスツーリズムや最近でいうWell-Beingツーリズムによる観光地域づくりの感動請負人(コーディネーター)として各地を飛び回っていて、そこそこ活躍しているらしい(笑)そんな小タヌキのウェルネス地域探訪にお付き合いください。
※ウェルネスコラムはこちら

ひとりひとりのポジティブな行動が地球沸騰化を減速させる?!そしてWell-beingへ

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4.あとがき
つい最近、地域の魅力を伝える青森市の出版社「ものの芽舎」からエッセー「青森ほろ酔い旅」が刊行されました。著者は私どもとご縁が深い青森市出身の紀行作家で世界的な酒飲みライター、山内史子さんです。本書は郷土愛あふれる語り口で、豊かで奥深い青森の酒と食の魅力が綴られていて、元気村の不肖私、炉端家クマ(自称)や津軽鉄道ハイボール列車のことなども登場します。青森県と道南が連携した津軽海峡交流圏ラムダ作戦会議のオリジナルメンバーでもあり、時々元気村の炉端で妄想太宰治談義などしながら私たち「アウト老」な面々と飲んだくれている「奇行作家」ですが、実は、英国の出版社勤務を経て独立したというキャリアで、イギリスやカナダの物語探訪やハリーポッターの旅など、たくさんの著書があります。もちろん日本国内の酒場探訪本も多種にわたって刊行されていますので、皆様是非お手に取ってお読みください。
そしてさらに、東京銀座でハイボールの聖地と言われる人気バー「ロックフィッシュ」のオーナーバーテンダー間口一就氏の著書「酒呑み放浪記」も是非お読みください。金木町のローカルスーパーや元気村の事もたくさん書いてくださっています。もちろん間口氏によるバーテンダーのこだわりおつまみ本もたくさん出版されています。こうしたディープな青森ファンがいてくださるのは本当に有難いですね。まだまだご紹介したい方々はいっぱいいますが、先ずはここらで一旦ストップして徐々に小出しすることにします(笑)
 暑さが続いているせいで稲の成長が進み、当地でも9月早々から稲刈りが始まるようです。国内外の問題は多難続きで解決の糸口すら見つかりませんが、皆様9月も息災でお過ごしください。

2025.8.29

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