
推しのコンテンツ『奥津軽アドベンチャーグラベルライド』で台湾との交流を図る
さて、今年も、いろいろなことがあったが、かなぎ元気村の小タヌキの活動で印象的だったのは、台湾との2つの交流。
奥津軽トレイルの土台となっている「津軽森林鉄道」の兄弟分ともいえる阿里山森林鉄道を体験し、阿里山国家公園の専門官とつながったこと。そして、前回のコラムでもコンテンツを一部紹介した『奥津軽アドベンチャーグラベルライド』のコンテンツを台湾の方々に参加していただいたという交流である。
阿里山森林鉄道については、2026年に書かせていただくとして、今年最後の締めくくりのコラムは台湾の方々に来ていただいたモニターツアーについて書き綴っていこう。
日本で老舗の自転車専門誌Bicycle clubの台湾版SNSで告知され、台湾のスポーツ専門の旅行コーディネーターである高世軒氏と連携し、モニターツアーを実施。深秋の11月5日(水)から11月7日(木)の2泊3日でE-MTBで時代を遡るタイムトラベラー!をキャッチフレーズに日本でも人気の高まる「グラベルライド」にチャレンジしていただいた。
はじまりは、津軽森林鉄道軌道跡である林道を走り、津軽森林鉄道の遺構との出会い。「旧森林鉄道路線に沿って山林の美しさを探検する体験はとても素晴らしかった」と高氏。そして日本三大美林のひとつ青森ひば林で縄文トレイル弁当と森のハンモックで休息、その後、樹齢800年を超えるといわれる青森ひばの神木に出会う。市街地に戻り、日本の文豪太宰治の生まれた近代建築の太宰治記念館「斜陽館」を見学し、金木観光物産館「産直メロス」でショッピングを楽しむ。初日の体験に参加者からは「棚田の間の狭い道や静かな村を走ることが新鮮な感動に。ガイドが樹木はもちろん、鬼っ子神社についても知識が豊富で素晴らしく、ポジティブな気分にさせてくれる体験になった」とお褒めの言葉も。
夕食は、世界遺産北海道・北東北縄文遺跡群の遺跡のある地域として、縄文時代に食卓に妄想した縄文料理が振舞われる。「暖かい炉火を囲み、ゆっくりと仕上がっていく料理や、キッチンから次々と運ばれてくる地元食材を使った一品一品を味わいながら、新鮮さと美味しさを存分に堪能できた」と女性参加者からの声をいただく。
そして、翌日も古民家かなぎ元気村をスタートする。
鎌倉時代から室町時代に創建されたといわれる奥津軽を代表する神社、高山稲荷神社に向かう、SNSで人気の映えスポットである千本鳥居を散策する。突然、神主さんが登場し、神社を解説してくれる。地元旅行会社造成のグラベルライドこその演出に高氏も感激!
縄文前期から後期の遺跡では有名な「遮光器土偶」が出土した亀ヶ岡石器・縄文遺跡に続き、奥津軽に拡がる湿地帯を代表となるベンセ湿原に立ち寄る。「亀ヶ岡縄文遺跡からベンセ湿原までの区間は、田園風景の小径を走り、景色が変化して湖沼も見え、印象的だった」(参加者)
いよいよ、このモニターツアーのハイライトは日本海に拡がる出来島海岸の砂浜ライド。冬も近くなり潮風が冷たかったが、「氷に閉ざされて2万8千年間保存されてきた樹木を目にしたときは、本当に感動」との声。
そして、2泊3日の旅は、縄文遺跡のハイライト三内丸山遺跡へ。約6000年前から1600年程度反映した時代の暮らしを垣間見る。戦いのない世界、循環型社会など、今の時代に求められる暮らし方が見えてくる。「青森のタイムトラベルの本当の魅力・深さが見えてきた」(参加者)。
3日間を通じて、「原野や森の中ではスリルある体験を味わい、さらに海辺へと向かえば、氷河期の木を眺め、砂浜を走る、そんな不思議で魅惑的なサイクリング体験ができた」と振り返る台湾からの参加者たち。
奥津軽の約2万8千年前の氷河期から縄文へ。そして中世、さらに近代から現在までE-MTBがタイムマシンとなって、時代を駆け巡る、このツアーはBicycle clubの台湾版でも報告される。
奥津軽アドベンチャーグラベルライドな旅へ!台湾サイクリストはもちろん、みなさん、来春お待ちしておりますよ!
よいお年をお迎えください。

奥津軽グラベルライド

森のハンモックでランチ&休息

囲炉裏を囲んで縄文料理に舌鼓

高山千本鳥居の絶景

世界遺産亀ヶ岡石器時代遺跡で遮光器土偶と出会う

砂浜ライドで埋没林に到着

ダイナミックな砂浜グラベルライド

夕陽で記念撮影
2025.12.26

