「古民家かなぎ元気村の朝食は貝焼き味噌で元気回復!」|小タヌキのウェルネスコラム第8回
元気を呼び起こす、かなぎ元気村の朝食メニューに「貝焼き味噌」が並ぶ
久しぶりに朝日と小鳥のさえずりで目を覚ます。前夜、囲炉裏を囲み、山菜三昧と陸奥湾の焼き魚を楽しみ、豊盃、田酒、稲村屋と地酒を飲み続けて、少し胃が持たれているものの、気持ちのよい朝。いい酒は朝が知っている…
この朝をさらにここちよくしてくれるのが、かなぎ元気村の朝食。
山菜、長芋、鱒、そして十三湖のしじみ汁という地産地消の食材を使った料理が並ぶ。その中でもとっておきの定番が「津軽貝焼き味噌」である。十年物のホタテ貝の貝殻を鍋のように使い、味噌、出汁と煮干し、そしてネギを入れて、最後に卵とじにして食べる。実はホタテは入ったいない。でも、食べると元気満開になる。昔は卵が贅沢なもので、祝い事や風邪を引いたときくらいしか食べられなかったという代物だ。
先日、久しぶりに東京から2泊3日で知り合いのお二人の女性をご案内した。ワラッセ、立佞武多の館と定番を巡り、やがて訪れる青森の夏をご紹介。そして新緑の奥津軽へアドベンチャーライド、さらに、今年世界自然遺産30周年を迎える白神山地、十二湖へ。でも、やはり女性陣の旅の満足度が高かったのが、かなぎ元気村の食。ひとりは、「おかあさんたちとワイワイしゃべりながら、奥津軽食材をいただくのは、やっぱり楽しいし、美味しい。アドベンチャーライドもそのための前座かな~」。もう一人も「あれだけ飲んだのに、五臓六腑に優しい貝焼き味噌パワーで白神山地を歩けた!」と加える。よほど印象に残ったのだろう。
さて、観光地域づくりに携わる私が重視しているのは、「身土不二」という言葉。「身(体)と土(環境)は二つにあらず、一体ですよ」という意味。体は食べ物、水、空気、光などをその土地の環境から体に取り入れている、だからこそ、その土地でその季節に自然にとれるものを食していけば、土地の気候・風土に適応し、元気に暮らしていくことができるという考え方。
つまり、奥津軽の元気を象徴する料理をお客様にかなぎ元気村の環境の中で食べてもらうことは、暮らしと文化の物語に共感してもらうことはもちろん、健やかなる旅を実現できると考えている。
話は少し変わるが、コロナ禍前のことになるが、港区青山で開催された青森県観光国際戦略局による「2019年マスコミ食セミナー」にお呼ばれした。テーマが「下北ホットタパス“かやき”の集い」。
かなぎ元気村で提供する、津軽の味噌仕立てで溶き卵を入れる「貝焼き味噌」とは違い、下北半島の貝焼き(かやき)は、さまざまなバリエーションがあり、そのメニューが地域に根付いている。その地域で獲れるウニや塩辛が入っていて、まさに漁師料理という感じ。
青森市出身の私の記憶に残る実家の貝焼き味噌は、長年の貝焼き味噌の味が、まる(すっぽん)鍋の土鍋のように、使うと貝殻にしみ込み、七輪で焼くと貝殻からの出汁も溶き卵に微妙にしみ出していき、その相乗効果で、どんどん美味しく、どんどん元気が湧いてくる料理という印象。だから、青森市出身の私でさえ、この集いでの「かやき」は初めてで、下北半島の食材とホタテが織りなすハーモニーが楽しめ、わくわく、ドキドキだった。
育った料理とは違うものの、青森食材を中心に成長した自分にとっては、相性がよかったのであろう。下北の地酒「関の井」も進み、集いですっかり我を失ってしまった。同席した仲間によるとシメの頃には「もしも~し」を繰り返し、同じ話をしていたという(笑)。
ただ、かなぎ元気村との違いは、二日酔いになってしまったこと。もし、これを下北の空気・光・風の中で食べたら、ここちよい朝を迎え、元気もりもりだったのかもしれない。
かなぎ元気村で、地産地消、身土不二を、「津軽貝焼き味噌」を通じて実感していただきたい。さらにむつ湾フェリーに乗って、下北半島で「かやき」も食べていただきたい。
青森には自慢できる料理がある。これが私の誇りである。その誇りに触れに青森へ。身土不二の考え方でココロもカラダも整っていくことは間違いない。
焼干し出汁でおからと鮭が絶妙のハーモニーの「かやき」
2023.6.16
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