一般社団法人 かなぎ元気村 メールマガジン3月号
3月は冬と春の分かれ目の季節です。皆様いかがお過ごしでしょうか。
暦には春分の日と秋分の日がありますが、簡単に言えば、どちらも昼と夜の長さがほぼ同じ日という天文学的な理由によるものです。
古の人々はこうしたことをちゃんと知っていて、気候と農耕判断の指針にしてきたのでしょう。
世界のどの文明でも天文学はまつりごとや日常生活と密接に結びついています。
中国から文明が伝わった日本も同じで、天文占いの陰陽道とか陰陽師の存在は時代劇で良く知られていますね。
古くからそうした天文占いで国事が行われ、冬と春の春分の日、夏と秋の秋分の日が朝廷の神事と結びついて国民の祝日になっているのでしょう。仏教でも此岸(この世)と彼岸(あの世)が最も通じやすい日と考えられていて、春分の日と秋分の日は「お彼岸」と称して祖先を偲ぶ習わしになっています。
一方で、春は別れと出会いの季節でもあり、渡り鳥の群れが北を目指して飛び立つ姿を見る度に人間社会と重なってしまいます。
前途を祈る、幸運を祈るのは誰しも同じなのではないでしょうか。
こうした旅立の歌もまた、人それぞれ、千差万別、人生いろいろ、ってもんでしょう。
皆様が好きな「旅立ち」とか「別れ」の歌って何ですか?
一般社団法人かなぎ元気村では、みなさんのそばにいつも『かなぎ元気村』ということでメルマガを配信しています。
今月も奥津軽の小タヌキのコラムやクマのぼやきをお楽しみください。
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【目次】
1.地方鉄道こそ宝
2.居酒屋消滅の悲しさ
3.カラキジおなごはカッコいい
4.SDGsを考える
5.ウェルネスコラム「飛騨古川の里山エクスペリエンス」
6.あとがき
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1. 地方鉄道こそ宝
さっそくですが、クマのぼやきからスタートします。
本州最北の民間鉄道といえば「津軽鉄道」です。津軽鉄道は五所川原駅を起点にJR五能線、弘南バスと結び、北の中里駅に至る21㎞ほどのローカル鉄道で、ストーブ列車に象徴される奥津軽の風物詩と言っても過言ではありません。そもそもの成り立ちは五所川原以北の町村にとって生活の足が必要であり、そのために大地主だった太宰治の津島家や市町村の有力者達が出資して昭和5年(1930年)に開業した鉄道です。しかし、駅を中心に町が形成され、駅も乗客もごった返していた時代はもう過ぎ去り、マイカーの普及と人口減少で経営の厳しさが増し、自治体の支援で路線を維持しているのは事実です。
悲しいことに、ここに至って開業時から経済的な恩恵を独り占めしているはずの五所川原市が、「抜本的な経営改革」を示さなければ支援を打ち切ると表明しました。かと言って経営改善努力をしてないわけではなく、現社長になってからは路線維持のための努力やアイデアは全国のローカル私鉄のトップクラスではあるまいかと思います。現社長についてはWikipediaで紹介されていますので是非ご覧ください。日本の国益を担う大手商社の経営幹部から故郷の津軽鉄道再建のために力を尽くしている尊敬すべき人物です。
「澤田長二郎」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BE%A4%E7%94%B0%E9%95%B7%E4%BA%8C%E9%83%8E
「東奥日報」
https://news.yahoo.co.jp/articles/8ba2a03886dd7889d34515997856906f46fd8067
数字だけで判断するとこうした理屈になるのでしょうが、営利企業とはいえ重要な交通インフラなのは間違いなく、市も他人行儀な上から目線で物申すのではなく一緒に考えようと言う姿勢があるべきではと、津軽鉄道ファンである私個人はそう思っています。
さらに残念の上塗りで、津軽鉄道を金木の芦野公園(五所川原市)でストップさせてはどうかと低次元な発言をする市議会議員がいるのも、既に支援を決めている中泊町や沿線住民に対して極めて失礼な話です。
私はメルマガ2月号でこう書いています。もう一度お読みください。
「CSRとは、企業の社会的責任を意味しますが、行政に置き換えると、一方向の利益を追求するだけでなく、自らの組織活動が社会へ与える影響に責任をもち、社会全体からの要求に対して適切な意思決定をすることを指しています」
近江商人の商売哲学は『売り手によし、買い手によし、世間によし』とする『三方よし』です。これからの縮小社会においてこそ必要な考え方ではなかろうかと思います。
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2.居酒屋消滅の悲しさ
近ごろは夜になれば金木の町なかから人の姿が消える。あまりの人気のなさに寂しさを通り越して不気味さを感じるほどだ。町なかで夜に灯りがつく飲み屋は10軒ぐらいもあるだろうか。そもそも酔っぱらいが頼りにするタクシーがなくなってからもう2年になる…そうこうしている内に、人であふれていた居酒屋もいつの間にかポツンポツンと灯りが消えてしまった。居酒屋は酒の種類も多いし、食べるものも多い。安い値段でそれぞれの店が工夫を重ね、そそられる食のメニューを開発して、シメに至るまで総合的な満足感が得られるという点で外国人にとって驚きなんだそうだ。庶民のたまり場という点でも居酒屋が一番だと思う。金木にもそんな美味しい居酒屋が数年前まで結構あったよ。大人数で群れるのをあまり好まない自分は小料理屋が好きだけどね。
近ごろの若い衆は仕事帰りに同僚や上司と飲むってことはほとんどないようだ。誘おうものなら「それは仕事ですか?」と言われることも珍しくないらしい。さらにコロナ禍をきっかけとする健康志向の高まりを背景にノンアル飲料の消費が拡大しているのだそうで、これじゃ飲み屋の未来も暗いはずだと思わざるを得ない。
「アルコール入ってねば、ただのジュースだべさ」、「どごが体いぐねだが?」、「そうしたやついるはんで飲み屋潰れるだね」という昭和の殿方の論理はもう通用しないのかと思うと悲しくなるね。
元気村の茶房「鄙家」(ひなや)は炉端飲み会ができるし、蔵のサロン「叢雲」(むらくも)はジャズBARだし、昭和のレーザーディスクのカラオケも楽しめるよ。どうぞ、そんじょそこらにはない雰囲気をお楽しみあれ。
お昼のお弁当、お食事会などお気軽にお問合せください。
季節の地場産食材で、お客様のニーズにあった料理、お弁当をご提供します。
昼食や夕食の様子は、Facebook「かなぎ元気村かたるべぇ」にも時々アップしています。
元気村ではおすすめの県産銘酒を取り揃えています。
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3.カラキジおなご(女子)はカッコいい
NHKの朝ドラ「ブギウギ」はもう終わりに近づいていますが、ドラマの中で青森県人が深くかかわっているのをご存知ですか? ドラマの中で圧倒的な存在感を示す「茨田りつ子」のモデルは、あのブルースの女王、青森市出身の「淡谷のり子」です。先日NHK青森放送局による出演者のトークショーと県立美術館での淡谷のり子展を見る機会に恵まれました。淡谷のり子について、当然若い人たちは知らないでしょうが、この人はいい加減なことに一切妥協しない真の音楽家なのだと思います。ドラマの中でも、私にとって歌うことは生きること、衣装は戦闘服だと言い切っていましたが、あれこそが実話です。数多くの写真や楽譜や手書きのメモなどから真の音楽家淡谷のり子を想像し、過去に放送されたNHK番組の大画面に釘付けになりました。かなり年配になってからの作曲家服部良一とのコンサートでしたが、あのブルースとシャンソンの歌唱力には誰もかなうはずがないなと思い、知らずのうちに涙が出ていました。これじゃあ、半端な若い歌い手は叱られてもしょうがないなと思わせられます。余計な話ですが、彼女の年表の中で、TBSラジオの人生相談を8年間もやっていたというのを見つけて思わず笑ってしまいました。8年間もやってたのは半端なことではありません。私は聞いたことが無かったですが、「チコちゃんに叱られる」どころではなく、「淡谷のり子に叱られたい」人たちが溢れていたんだと思います。ただの毒舌ではない彼女なりの優しさに溢れた人生アドバイスだったのでしょうね。放送された映像の中で彼女は自分の性格を「カラキジ」だと称し、その意味を楽しそうに話していました。「ジョッパリ」はある程度の妥協性を残しているが、カラキジはどうにもならないんだと笑っていました。
本当にこの人はカッコいいなと思いました。青森県人の誇りです。
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4.SDGsを考える
SDGsという頭文字が出てきてからもう10年近くなるようです。そもそも地球規模の課題を解決するために世界中の国連加盟国が一致して設けた17のゴール目標だそうですが、正直なところ誰もよくわかってはいないし、実際に口先ばかりな気がします。 クドクド書くのも面倒くさいので、17項目の箇条書きをご覧ください。
1.貧困をなくそう 2.飢餓をゼロに 3. すべての人に健康と福祉を 4.質の高い教育をみんなに 5.ジェンダー平等を実現しよう 6.安全な水とトイレを世界中に 7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに 8.働きがいも経済成長も 9.産業と技術革新の基盤をつくろう 10.人や国の不平等をなくそう 11.住み続けられるまちづくりを 12.つくる責任 つかう責任 13.気候変動に具体的な対策を 14.海の豊かさを守ろう 15.陸の豊かさも守ろう 16. 平和と公正をすべての人に 17.パートナーシップで目標を達成しよう
とまあ、こんな具合です。大国ほど絵に描いた餅な気がしますね。むしろ縄文時代に学ぶ方が人間的で平和な社会になりそうです。元気村では今年も縄文の生活文化体験を続けて行きます。ホームページやFacebookから数々の動画をお楽しみいただけますので、是非体験してみてください。
※十二本ヤス アドベンチャーライド
※体験プログラムはこちらから→https://www.jalan.net/kankou/spt_guide000000206736/activity_plan/?asobiKbn=1
※縄文アドベンチャーライドをはじめとしたモニターツアーの映像をお楽しみください。
こちらから→https://kanagi-genkimura.org/category/movie/
社員研修、ワーケーションなどの宿泊プランは直接、下記へ電お問合せください。
→電話番号 0173-52-2882 ito@kanagi-genkimura.org
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5.小タヌキのウェルネスコラム第17回
「 飛騨古川の里山エクスペリエンス 」
(一社)かなぎ元気村の理事木谷敏雄(通称奥津軽の小タヌキ)が「日本各地のウェルネス地域の探訪」を綴ります。この小タヌキは、日本各地のウェルネスツーリズムや最近でいうWell-Beingツーリズムによる観光地域づくりの感動請負人(コーディネーター)として各地を飛び回っていて、そこそこ活躍しているらしい(笑)そんな小タヌキのウェルネス地域探訪にお付き合いください。
※ウェルネスコラムはこちら
https://kanagi-genkimura.org/2024/03/11/wcolms_17/
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6.あとがき
青森県は言わずと知れた相撲大国です。歴史に残る名力士は数限りなく、現役力士の活躍にも目が離せません。そんな中で特に注目して欲しい力士は今場所新入幕の「尊富士」です。金木町出身で鳥取城北高校から日本大学を卒業し、つがる市出身の元横綱旭富士の伊勢ケ濱部屋に入門。あれよあれよという間に全勝を重ね、十両も一場所で通過するという玄人をうならせる強さです。今場所も今日5日目で全勝中。荒れる春場所に旋風を起こしそうです。やっと今の日本人力士が面白くなりましたね。個人的に好きな「宇良」や、笑うと可愛すぎる「熱海富士」と合わせて贔屓にしています。
さて、私は自宅で毎日料理にいそしんでいます。まあ、相撲部屋のチャンコや野山のキャンプ飯みたいなもんだろうと想像してお笑いください。ところがどっこい、これらはかなり奥が深いのですよ。いちいちレシピ本を見ているわけじゃなく、感覚でやってるテキトー料理ですが、今まで飲み歩いたり食い歩いたりして積み重なった財産なのかもしれません。寝る前にネットフリックスで「深夜食堂」や「孤独のグルメ」や「酒場放浪記」を見たりしています。生まれ変わったら吉田類か六角精児みたいな仕事をしてみたいね(笑)
もうフキノトウが顔を出してきました。早春の天ぷらネタは野草の新芽がいいよ。
皆様もお身体を大切にお過ごしください。
2024.3.27