一般社団法人 かなぎ元気村 メールマガジン12月号
とうとう年の瀬になりました。皆様はいかがお過ごしですか?今年の冬はいきなりの大雪になり、津軽地方では12月の降雪量としては観測史上最高という、まさしく出鼻をくじかれて、いきなりのダウンです。
北国にとって雪が降り積もるのは当たり前の光景ですが、自分も含めて地域の高齢化が進むと日々の生活が苦労の連続というのも辛い現実です。こうした気候的要因(冬期の運動不足)は「平均寿命」と多大な関連があり、国が統計を取り始めてからずっと青森県は男女ともに最下位が続いていて、秋田・福島・岩手がそれに続くという悲しさですが、一方で「健康寿命」と言うところでは改善傾向が認められるようです。健康寿命は言い換えると不健康期間が短いということであり、平均寿命と健康寿命が近い方が理想的なのは当然ですね。寝たきりを防ぐためには適度な身体運動が必要なわけですから、大雪に嘆くばかりではなく、ここは開き直って雪片づけは雪国の人にとって一番身近な鍛錬と心得ましょう。決して慌てず無理せずです。
一般社団法人かなぎ元気村では、みなさんのそばにいつも『かなぎ元気村』ということでメルマガを配信しています。今月も奥津軽の小タヌキのコラムやクマのぼやきをお楽しみください。
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【目次】
1.悪質電話には「クマ送る」の本意
2.シリーズ「記憶の断片」その9
3.ウェルネスコラム第26回
「青春の逸品「シクラメン」を高校生の創る南房総いいものライブ直送便で配信!」
4.あとがき
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1.悪質電話には「クマ送る」の本意
近年は野生動物による人間への危害が拡大する一方であり、今までは考えられなかっ
住宅地や繁華街に近い場所にクマやイノシシが出没して人間を襲うようになりました。
その被害が一番拡大しているのが隣県の秋田であり、昨年度のクマによる人身事故は62件/70人と全国的にも突出し危機的な状況です。当然地続きの青森県にも危険エリアが拡大しており、今年は八甲田エリアの酸ヶ湯温泉付近でも山菜採りが襲われて亡くなり、数ヶ月にわたって八甲田全域の登山道が閉鎖されたことで観光経済には大きな痛手でした。
迅速かつ効果的な対処が遅れる間に、クマは人間を簡単に捕食できる獲物として認識し始めており、人間の生活圏内に出没したクマ、あるいは人間に危害を及ぼしたクマに対して取るべき対応は「駆除一択」しかないと言うのは当然だと思います。
秋田県ではクマの駆除に対して思い込みの激しい偏執的と思われる方々から執拗かつ悪質なクレームが続き、行政に重大な支障が出ているそうで、知事がクレーマーに対して「お前のところにクマを送るから住所を送れ」という比喩的発言をしたと報道されていましたが、言葉の上げ足を取って面白おかしくするばかりではなく、県や市町村が毅然と対応できるようにトップがこうした態度を示すことはとても重要なことだと思います。
このことについて、佐竹知事はこうも言っています。鳥獣被害対策はあくまでボランティアに近い地元のハンターが協力しているので、発砲の全責任を負わせるというのは単純におかしい。責任の所在をはっきりさせるという意味では、警察に「クマ専門の対策部隊」を作ってもいいんじゃないかと。当たり前の話ですよね。国の治安と国民の安全を守るのは先ず警察ですから、北海道のヒグマ駆除の不可解さを見る限り、その責任を民間に背負わせるのは間違っていると思います。何よりも国が自ら対処すべきでしょう。
秋田県の佐竹知事は殿様の直系ですから、領民と家臣を守るという殿らしい発言に陰ながらニンマリしました。
繰り返しますが、実際にクマは人を恐れなくなっており、人里近くに潜み、食べ物の嗜好の中に人間がインプットされつつありますので、春になって山菜採りを楽しみにしている皆様には単独行への注意を促し、もともとの自然界を畏れ敬い、謙虚に山の恵みを頂くというマタギの精神を元気村の活動にも重ねて行きたいと思っています。
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2.シリーズ「記憶の断片」その9
かつてNPO法人を率いていた頃、地元の芦野公園で何年にもわたり「雪と光のページェント」という冬のイベントを仕掛けていました。津軽の厳しい冬を逆手にとって楽しもうという住民参加型の雪まつりで、いま各市町村で行われているイルミネーションイベントの先駆けだったのは疑いもありません。イルミネーションだけでなく、住民参加のお楽しみプログラムが数多くあり、雪像づくり、コーラス、祭り囃子、ダンス、雪上ゲーム、キャンドル、花火の打ち上げなど、お楽しみは盛沢山でした。思い出すたびに笑えるのは、私と気の合う仲間がやっていた「one day BARダイヤモンドダスト」の儲けが+4円だったことです。理由は単にアホだから。心底楽しかったですね。
私がこれをやろうと思ったきっかけは、かつて大鰐町の山間部にある民宿「ひばのくに迎賓館」で行われていた「雪の大食卓会」に参加し、言いようのない感動を味わったからです。このイベントには地域の生活文化、食文化、音楽、前衛芸術などが絶妙にマッチングした大人の楽しみが凝縮されていて、それ故にサントリー文化財団の地域文化賞を受賞しています。残念ながら今はどちらも消滅していますが、そうした文化的な価値観は一度失ったら取り返しがつきません。時が流れ人の心が変わり、自分たちが培ってきた価値観が引き継がれることはもうないのでしょうが、金木町にはスケールが大きなフィールドや地域文化がいくつもありますので、行政のセンスはもちろん、地域づくりを標榜する団体や経済団体などはこの先の金木をどうしたいのか、パブリックなコメントを期待したいものです。老人のたわごとでしょうけど(笑)
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3. ウェルネスコラム第26回
「青春の逸品「シクラメン」を高校生の創る南房総いいものライブ直送便で配信!」
(一社)かなぎ元気村の理事木谷敏雄(通称奥津軽の小タヌキ)が「日本各地のウェルネス地域の探訪」を綴ります。この小タヌキは、日本各地のウェルネスツーリズムや最近でいうWell-Beingツーリズムによる観光地域づくりの感動請負人(コーディネーター)として各地を飛び回っていて、そこそこ活躍しているらしい(笑)そんな小タヌキのウェルネス地域探訪にお付き合いください。
※ウェルネスコラムはこちら
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4.あとがき
このところ新聞に国内外や県内の重大ニュースが掲載されていますが、今年の青森県の10大ニュースの圧倒的トップは我が町出身の大相撲力士「尊富士」の新入幕優勝でした。
110年ぶりの大記録ということで、記録にも記憶にも残る快挙に大きな拍手を送りたいと思います。今年を振り返ると元旦に能登半島地震が発生し、新年早々から言葉にならないほどのショックを受けました。更にその後の豪雨でも再び被災し、災害復旧や被災者支援もままならぬうちに政局が激変し、政治に対する不信感やわだかまりというものが国民生活に暗い影を落としているようです。
加えてアメリカを筆頭に大国の利益優先主義が地球全体を覆うような予感がしますね…
1971年のジョン・レノンの曲「イマジン」を思い出してください。答えは簡単なんです。
世界中のミュージシャンがこの名曲をカバーしていますが、個人的にはRCサクセションの忌野清志郎による訳詞が一番わかりやすくて好きですね。この詞の中に答えがあります。みなさん是非一度検索してご覧ください。
さあ、2024年も残り数日、新しい年も息災でありますように。
2024.12.27