一般社団法人 かなぎ元気村 メールマガジン4月号
日本人が4月と聞いて思いつくイメージのトップは「桜」なのだそうです。次に入学式とか、新学期とか、新年度という社会生活のスタートを意味する言葉が続きます。
さて、その桜が日本の国花なのかというところですが、農林水産省のホームページには、「春の代名詞ともいえる桜と、秋の花である菊は、どちらも日本の国花で、そのほか、都道府県ごとにも県花があります」と記されています。
国がそういってるのだからそうだろうと思うでしょうが、正しくは日本の国花は法律では定められていなくて、古くから日本人に親しみのある桜と菊が国花として認識されています。というのが国としても日本的かつ無難なところなのでしょう。これに白黒つけろとなるとイデオロギー論争になって収取がつかなくなることは容易に想像できます。
ちなみに、青森県の県花は「林檎の花」で、これには納得。ついでに調べていて面白いと思ったのは、お隣秋田県の県花は「フキノトウ」でした。浅はかな自分にとってフキノトウは春の山菜でしかないのですが、秋田県の名物は巨大な「秋田フキ」であり、その秋田フキの花であるフキノトウが県花となっても秋田県民にとっては当然なのかもしれません。各県の県民イデオロギーを尊重しながら日本列島を南下して見ていくと「なるほどガッテン」で勉強になりました。
ついでにいうと、台湾は国花を「梅の花」としており、梅は丸い5枚の花びらで台湾の憲法「五権」(行政、立法、司法、考試、監察)をあらわし、花弁の中の3つの雄しべで「三民主義」(民族、民権、民生)をあらわしているとのことです。さすがですね。こうなれば理屈が成り立ちます。日本の能登半島地震も大惨事ですが、台湾地震もまた他人ごとではありません。覇権主義国家の恫喝に臆することなく、民主国家が力を合わせて博愛主義を世界に知らしめるべきでしょう。ガンバレ日本、ガンバレ台湾。
一般社団法人かなぎ元気村では、みなさんのそばにいつも『かなぎ元気村』ということでメルマガを配信しています。
今月も奥津軽の小タヌキのコラムやクマのぼやきをお楽しみください。
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【目次】
1.テキトーに生きることの意味
2.ローカリズムに火を付けろ
3.山の幸子さんが来る
4.シリーズ「記憶の断片」その1
5.ウェルネスコラム「」
6.あとがき
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1.テキトーに生きることの意味
今回は軽々しくまいりましょう。「適当」という言葉は「いい加減」「無責任」と同義だと思うのが一般的ですが、本来はそうではないと高田純次が言ってました。という時点で、もうテキトーが独り歩きしますが(笑)
高田純次はこう言う。正確には『ある条件・目的・要求などにうまく当てはまること』とか『程度が程よいこと』って意味で、悪い言葉じゃないんだよ。だからまあいいか、って」 しかし、言葉というのは不思議なもので、人それぞれの感覚で「真逆」になってしまう分かりやすい例が「適当」という言葉なのかもしれません。
私は前の仕事で少しまとまった人員を率いていたことがありますが、そもそもあまり杓子定規な考え方が好きではなく、任せるからやりたいことをやってみましょう、「ハイ、では、どうぞ~」みたいに軽々しく言ってました。組織のリーダーとして、それこそがいい加減だという人もあり、そうした期待は精神的な負担でしかないという人もいました。反面、逆に面白がって伸び伸びと個性を発揮する人もいました。
何が正しいと言えるほどの人間じゃありませんので、自分の考えを押し付けることは好みませんが、実は、前の仕事で高田純次本人とテレビ番組の収録をご一緒したことがあるのです。収録中はあの通り超軽々しい展開なのですが、時にカメラが外れるとかなり的を絞った質問をしてきます。この人本当は生真面目で、痴性じゃなく知性が高いんだなと気づき、高田純次のファンになりました。同じようなことでお笑いコンビのサンドウィッチマンもご一緒したことがあり、なんかこの二人いいやつだなとずっと思っていて、NHKの「病院ラジオ」を見ていると、この重いテーマを温かくほのぼのと進めて行けるのは伊達と富澤しかいないなとつくづく思うのです。
とまあ、適当という言葉をどうとらえるか、テキトーに考えたほうがいいよって、わけのわからない話になりましたので笑ってお許しください。
物憂げな太宰治の写真に向かって、「酒と女は二合まで」と高田純次が言ってました。
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2.ローカリズムに火を付けろ
メルマガ3月号の終わりに大相撲の尊富士(たけるふじ) 快進撃の予感を書きましたが、とうとう春場所優勝。しかも110年ぶりの新入幕優勝。おまけに三賞総なめという大アッパレを達成してしまいました。相撲の現役生活はそう長くないにしろ、この快挙で記録にも記憶にも残る歴史上の人物になったのは間違いありません。
さて、このことで私のローカリズムに更なる火がつきました。五所川原市は会見で五所川原市出身と自慢げに言いますが、尊富士は金木の出身で、続けて言うと太宰治も吉幾三も金木なんだから最低でも五所川原市金木町出身までちゃんと言えよ。ってのが私の言い分です。
こうした中で日刊スポーツが、吉幾三ら数多くの鬼才を生んだ青森県金木町と書いたので一矢報いた気がします(笑) これは決してどうでもいいことではありません。
言うなれば地域的なアイデンティティ(独自性)を無視される気がして猛反発したくなるわけです。
日本画家の東山魁夷が、「古い家のない町は、思い出のない人間と同じだ」と著書「風景との対話」で書いていますが、いささかでも地域づくりに手を染めた者として、そうした矜持は年を経た今もさほど変わりません。
つい数日前、クルーズ船で青森に寄港したアメリカ人たちが元気村を訪れ、季節の田舎料理と昔のお菓子作りを体験されました。全く予期せぬ展開で、皆様から私たち全員とのコミュニケーションタイムを希望され、通訳を通して様々な質問がありました。
その中で、この古い家や地元ならではの生活文化を守る理由を問われ、「古い家のない町は、思い出を失くした人間と同じで、失くしてしまったら永久に戻らない」と答えた途端、全員から大きな拍手をいただきました。
私達からは、どうして青森の有名な観光地ではなく、ここを選んだのかと聞いたら、あちこちの観光地でガイドの説明を聞いても、その場限りで記憶にも残らないし、ほとんど飽きてしまう。だから、全く未知の場所に行って、その土地の人と触れ合ってみたかったのでここに来ることを選んだという、これまた全員一致の答えに感動して涙が出そうになりました。
こうしたことで、私がローカリズム主義者であろうとする意味をわかっていただければ幸いです。
お昼のお弁当、お食事会などお気軽にお問合せください。
季節の地場産食材で、お客様のニーズにあった料理、お弁当をご提供します。
昼食や夕食の様子は、Facebook「かなぎ元気村かたるべぇ」にも時々アップしています。
元気村ではおすすめの県産銘酒も取り揃えています。
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3.山の幸子さんが来る
この冬は暖冬だったので春が足早に訪れています。いつもなら雪代で川が増水するのですが、雪が少なかったため、ほとんど気がつかないまま田打ちの時期になりました。
4月になって里はもとより、山桜も一気に花開くなんて今まで見たことがありません。なので、今年の山菜は確かに早いですね。
さてさて、昨年春から山菜採りにハマリだして、私たちが山の幸子さんとあだ名をつけた料理家の女性が料理家友達を連れて元気村にやってきます。
山菜を生業にする人たちとは別に、この辺りでは家庭で季節の味を楽しむ程度なら身近な場所で簡単に採取できますし、地元の私たちは普段から産直や道の駅をのぞき込んで山菜シーズンの到来を確認し、時系列で並び出す山菜の種類にも目を凝らし、自分のターゲットを決めるわけです。
ただ、この暖かさで「段階」も何もあったもんじゃなく、あらゆるものが4月から出そろってしまって困惑しています。この分だと山の幸子さんが来る辺りには本命のネマガリタケが採れそうですね。
欲張らずに謙虚な気持ちで山に入ると、山の神様は色んなものを恵んでくれます。古来からのマタギの精神文化に学び、山菜の美味しさをどう引き出すのか、彼女らの手口を楽しみにしているのですが、、意外に彼女らは自分で採ったのをなるべく手を加えずに味わうために来るのかも知れませんね。何だかとてもワクワクします。
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4.シリーズ「記憶の断片」その1
自分が津軽三味線の歴史文化について検証をしていた頃の話ですが、18年前の2006年4月は沖縄県の名護市と那覇市での「津軽三味線ふるさとへ還る~北風を連れて~」という民間企画の文化交流事業にお招きを受け、津軽三味線の歴史解明者である故大條和雄先生と参加していました。沖縄と津軽三味線がどんな関わりかと言えば、その前に日本の三味線は沖縄の三線をモデルにして姿形や演奏方法を日本スタイルに進化させたという流れがあります。それはさておき、私たちが興味を抱いていたのは琉球王朝の伝統音楽とは趣が異なる大衆芸能の方で、今から500年ほど前に唄を三線にのせてを歌うことを創作したと伝えられている「赤犬子」(あかいんこ)という伝説の人物を探ることでした。
この伝説の人物は津軽三味線の始祖「神原の仁太坊」と境遇が似通っていて、小さな祠に祀られ、ある種神格化されていました。さて、文化交流事業の打ち上げは沖縄民謡のレジェンドといわれる大城美佐子さん(故人)の酒場「島思い」(しまうむい)で朝方までライブを堪能したはずですが、飲みなれない泡盛のせいで記憶が飛んで、あまり思い出せません・・・
ただ、この店で大城さんの弟子として働いていた堀内加奈子さんのことは覚えています。彼女は北海道江差町の生まれで函館育ち。もう一人、鰺ヶ沢町出身のNさんという女性も弟子としてお店で働いていました。去年あたりだったか、江差町の友人MさんのFacebookで堀内さんが大城美佐子さんの死後、帰郷して七飯町で沖縄料理のお店を営みながら唄い続けていることを知って驚きました。たとえ生まれは違えども沖縄民謡の魂を受け継ぐ最高の唄い手であることは間違いありません。今度お酒を飲まないMさんを運転の犠牲にして、おいらは琉球泡盛を飲みながら彼女の唄に酔いしれたいです(笑)
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5.小タヌキのウェルネスコラム第18回
「 信越自然郷 」
(一社)かなぎ元気村の理事木谷敏雄(通称奥津軽の小タヌキ)が「日本各地のウェルネス地域の探訪」を綴ります。この小タヌキは、日本各地のウェルネスツーリズムや最近でいうWell-Beingツーリズムによる観光地域づくりの感動請負人(コーディネーター)として各地を飛び回っていて、そこそこ活躍しているらしい(笑)そんな小タヌキのウェルネス地域探訪にお付き合いください。
※ウェルネスコラムはこちら
https://kanagi-genkimura.org/2024/04/17/wcolms_18/
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6.あとがき
ここ金木町の桜は4月14日辺りに咲き始め、20日からは満開になりました。6年前まで18年間にわたり芦野公園桜まつりの運営をしていた自分にとって、桜の開花と祭りの会期が合わなくなってしまった現実はやはり気になります。
さらに、ゴールデンウィークに30年間続いた津軽三味線全日本金木大会がこの期間に開催されなくなったのは最も残念です。「魂を揺さぶれ!!」の激を染め抜いた紫紺の幟旗には五月の風がお似合いだ。と、ある三味線奏者のCDジャケットに寄稿したことがあって、そうした気持ちは今も同じです。
弘前、青森、金木と続く全国大会三連戦は津軽でなくてはあり得ない濃密さであると思います。それぞれの大会が上手くバランスを保って成り立っており、三味線奏者と愛好者にとっては、まさしく聖地巡礼の期間なのです。コロナ禍で一時やむなく様変わりさせたにしても、原点をないがしろにしてはならないと、ローカリズム主義者の私はそう思います。
皆さん、気候の良い5月は積極的に外に出歩きましょう。元気村のスタッフが春の山菜を食べることは、冬場にたまった毒素を排出する、いわゆるデトックスなのだと先日アメリカ人に説明していました。その通りですよ。デトックス、デトックス。おにぎり持って野山に出かけましょう!!
2024.4.23