奥津軽に森林鉄道機関車が走り出す夢の実現へ!| 小タヌキのウェルネスコラム第25回
一般社団法人かなぎ元気村の活動の原点は、日本初、日本最長の津軽森林鉄道軌道跡と遺構を結び、日本三大美林のひとつである青森ヒバ林をあさぐ(歩く)奥津軽トレイルにある。森林鉄道の軌道跡を活用していることも評価されて、日本森林学会が認定する林業遺産に津軽森林鉄道の遺構は名をつられることができた。
津軽森林鉄道軌道跡を調べるために、クマと小タヌキは勇敢にも津軽の背骨である中山山脈をひたすら、ひたすら歩き、その距離は600㎞を超えた。でも奥津軽の美味なる酒と肴のお陰で二人が痩せることはなかったのだが(笑)
その調査を支えてくれたのが、、矢部三雄氏著「近代化遺産 国有林森林鉄道全データ(東北編)」である。これが虎の巻となって、本線から毛細血管のように山脈へ伸びる軌道跡と遺構に津軽森林鉄道調査隊は出会うことになるのである。
二人はいつしか、山中を歩いていると、草むらのちょっとした雰囲気から、ここは軌道跡だなと直感でわかるようになっていくのである…
東北森林管理局の局長を務め、現在の肩書は全国森林鉄道保存活用連絡協議会事務局長でもある矢部先生のサポートもあり、地元の森林管理署とも連携しながら、奥津軽トレイルは8セクション、117㎞となってお披露目していくことになる。
この奥津軽トレイルの事例を引っ提げて、10月6日、第二回『全国森林鉄道サミットin木曽』に参加してきた。昨年、このサミットは森林鉄道の文化が息づく全国の地域=林鉄ネットワークが手を結び、森林鉄道の歴史や現状、未来について語り合うことを目的として魚梁瀬森林鉄道のある高知県中芸での開催からはじまり、今後も全国持ち回りで行っていく取り組みだ。
サミットでは、矢部先生の基調講演『木曽の御料林と森林鉄道』からはじまり、各地の事例が紹介されるのであるが、小タヌキがかなぎ元気村の取り組みを紹介。他の地域と違い、かなぎ元気村を拠点にトレイルというコースを活用して、地域活性化に取り組んでいるのに対し、他の地域はどうか?そのほとんどが動態保存をしている事例が多いのである。
その事例を紹介しよう
今回の開催地である木曽にある王滝村は、動態保存の先進地といっても過言ではない。
全国の林鉄ファンで構成する『りんてつ倶楽部』と地元『王滝森林鉄道の会』が連携し、森林鉄道を保全活用し、動態保存をしている。元営林署で車両整備をされていた方々から教えてもらい、機関車を整備し、公園内に線路を敷設し、動かしている。その人たちの熱い思いと林鉄に関わってきた地域の人たちとの連携で、壊れた機関車を動かし、公園内であるが、林鉄が復活している。この「木曽の森林鉄道」は日本遺産にも名を連ねているのだ。
津軽森林鉄道も3台の車両が保存されている。この林鉄ネットワークにも加盟している青森市森林博物館、中泊博物館、そして我が金木町の芦野公園にある。その中でも芦野公園の車両は、手を入れれば、動き出すのではということである。
津軽森林鉄道は今も活躍する台湾の阿里山森林鉄道ともつながる物語を持つ。観光資源として魅力溢れる遺構たちは、きっと台湾のお客様を呼び込むに違いない。先日、このシンポジウムの懇親会で話をしていたら、「りんてつ倶楽部さんは、動かすことに協力してくれますよ」という話で盛り上がった。
この事例発表を聞いて改めて思ったことがある。
津軽森林鉄道の保存活用によって、青森ひばで賑わいのあった森林鉄道時代の記憶を蘇らせ、そこに観光客がやってくることで、地域は再び元気を取り戻すと考えている。
芦野公園に機関車が走り出し、奥津軽トレイルがさらに認知されていけば、地域の人たちにも笑顔が広がり、新たなWell-beingな世界が拡がっていくと思うのだが。。
まずは、一度、動態保存を行ってきた団体・組織に奥津軽の機関車を調査してもらいたいものである。
第二回全国森林鉄道サミット in 木曽は矢部先生の基調講演で始まる
翌日に開催の林鉄フェス2024には林鉄ファンが集まる
懇親会には地元食材、郷土料理が並ぶ
いよいよ森林鉄道が動き出す
2024.11.19
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